カリキュラム

教育のプロによる最高品質のカリキュラム

根性論ではなく、第二言語習得論に基づいたカリキュラムです。
世界中で認知されている教材を使用し、その使い方に徹底的にこだわった授業をしています。

インドネシアの日本語教育でよくおこなわれている間接法(母語であるインドネシア語での指導)ではなく、教師も日本語で指導する直接法を採用しています。それにより、学生は日本語で考え、理解しようとする力を身につけることができます。日本語環境で働く学生にとって、日本語で考える力、理解しようとする力は欠かせません。

ただし、学生の理解度が下がることがないよう、インドネシア語の解説教材を補助教材として指定しています。
また、学生の理解度にあわせた語彙コントロールもしながら、教師はクラスを進行しています。

教材で学んだ文型を会話で使うことができるように、徹底した文型の反復練習を口頭で行います。
『みんなの日本語』の練習Bや教材内の会話や例文を使用して実施することで、文型の定着とあわせて、学生の発話量を増やすこともできます。

インドネシアは、ベトナムやミャンマーなど他の東南アジアの国と比べて、母語によるアクセントはあまり強くありませんが、日本で伝わる日本語を目指すうえで、豊富な口頭練習によるスムーズな発話を目標にしています。また、音声教材や動画教材を積極的に使用することで、インドネシア人の日本語教師でも、正確な日本語の発音を指導することができます。

クラスでは、学生が学びの中心になるよう、教師はEliciting(学生から答えを引き出すコミュニケーション)やペアワーク、会話の活動では達成するタスクを設定したタスク中心教授法による指導を行います。日本でのコミュニケーションを前提として、身近な話題で情報を聞いて理解するリスニングスキルはもちろん、自分の要望や身の回りのことについて簡単な言葉で話せるように練習をするためです。

インドネシアで一般的な教授法である文法訳読式教授法(教師が母語で文法の解説を中心に進める教授法)をHINATA Indonesiaでは採用していません。文法の正確な理解は大切ですが、補助教材として使用するインドネシア語の解説教材により、学生は自分で文法の理解が基本的にできます。

HINATA Indonesiaでは、教師経験がまだ浅い20代の若手教師を積極的に採用しています。
日本で技能実習の就労経験がある教師もいれば、インドネシア国内で日本語を身につけ、仕事をしながら夜間大学に通う経験を持つ教師もいます。

採用面接では模擬授業も実施していますが、日本語教師の経験や教えるスキル、高い日本語力を採用時点では重要視していません。夢見るインドネシア人の若者のために貢献したいという気持ちがあるか。それから、教師自身が学ぶ気持ちを持ち、自分で考えて行動できるか。この2点で採用を決めています。

教師経験が豊富であればあるほど、これまでの教え方から抜け出すことができず、柔軟性がないケースがよくあります。また、学生は地方出身で高校卒業程度であることを考えると、教師自身が学生のロールモデルになる必要もあります。そこで、高学歴でN1を取得しているエリートではなく、学生に寄り添い、気持ちを理解し、伴走できる教師が必要です。

育成前提で採用した教師は、HINATA Indonesiaのオリジナルデジタル教材を使用し、これまでのインドネシアでの一方的な教え方から脱却するためのOJTを1ヶ月以上行い、さらに定期的な教師研修も実施しています。教師としてのマインドセット、授業進行のポイント、学生とのコミュニケーション方法、上記にあげた教授法を身につけるために、徹底して模擬授業を繰り返します。

教師自身がHINATA Indonesiaでの勤務を通して成長し、新しい可能性を広げることができる環境です。

HINATA Indonesiaでは、主に『みんなの日本語』という一般的な教材を使用しています。
ですが、『みんなの日本語』の使い方に徹底的にこだわり、語彙、文型導入、パターンプラクティスによる定着、会話での実践の順番で、どの教師が教えても教育品質が担保できる『みんなの日本語』に準拠したオリジナルデジタル教材を作成しています。

新しい語彙は、好まれる動詞や目的語とセットになった形(コロケーション)で導入をします。

また、語彙と意味だけではなく、使われる場面がイメージできるように、必ず写真やイラストなど、ビジュアルを用いて導入しています。

1つでも使える語彙を増やすことが目的です。

新出文型は、これまで学習した語彙や文型を用いて、場面に基づいた導入をしています。これにより、学生は自分で考え、意味を想像することができるようになります。必要に応じて、インドネシア語の解説も確認します。

また、導入で使用する場面は、学生の日本での生活を想定し、身近な場面で設定しています。

みんなの日本語の会話練習をしたあとで、会話活動を行います。この活動の時間では、該当課の文型だけではなく、これまで学習した文型も使用し、学生にとって身近な場面での会話練習をします。

また、入れ替えるだけのパターン練習から、自分で考え会話を作る練習まで、少しずつ難易度を上げるスモールステップによる実践練習により、学生も楽しく確実に会話力を鍛えることができます。

生活の日本語では、『いろどり』を使用します。
『いろどり』は、日常会話からビジネスシーンまで幅広い場面で使える表現や文化を学ぶことができる場面シラバスの教材です。

休暇のために会社で上司の許可をとる場面、わからないときに質問をする場面、病院の診察やごみの出し方、災害時の対応など、日本生活で必須となる場面を取り上げ、その場面で必要とされる日本語力を身につけていきます。『みんなの日本語』を使った学習で、基礎力が身についているからこそ、様々な場面で実践的な会話を理解したり、実践したりすることができます。

目指すのは自立と自律

教師の役割は、教えることだけではありません。
わたしたちが目指す教育は、学生の日本語力の向上は前提として、自発的に考え行動し、ときには自分を律することができる力を養うことです。そのために、教師はティーチングだけではなく、コーチング的アプローチも使い、【教える教育】と【教えない教育】を使い分けています。

現地教育機関によくある、軍隊式の押さえつける教育ではなく、VUCAの今の時代に必要な自責の精神を養う教育をしています。

また、HINATAでは坊主の強制もありません。喫煙も一定の条件のもと、許可しています。
学生を押さえつける教育は、必ずどこかのタイミングで学生自身、もしくは周りに対する問題として顕在化してしまいます。場合によっては、犯罪や命に関わる最悪の結末になることもあるかもしれません。

5Sや報連相など、日本で必要となるルールは、その意味や目的を考え、理解させる。そして初めて実行に移せるものになります。
他の現地教育機関とは一線を画すHINATA Indonesiaは、日本就職で希望に満ちた学生を送り出し、彼らの人生の新たな可能性を本気で応援しています。そして、学生と企業双方にとって後悔のない選択になるよう、サポートしています。

最低到達目標はN4レベル

HINATA Indonesiaでは、技能実習・特定技能問わず、N4相当のレベル到達を、日本就職のために必要な最低基準としています。
日本人からすると、N4相当のレベルが具体的にどんなことができるレベルなのか、なかなかイメージしにくいかもしれません。技能実習・特定技能の受け入れを検討している企業の皆様には、正しいレベルを把握していただく必要があります。

N4というレベルは、英語に置き換えて考えてみると、TOEIC 400点〜500点程度、英検でいうと3級くらいのレベルです。なお、英検3級は一般的に中学3年生までに習う内容です。特定技能においてはN4レベルが必須ですが、技能実習では、N5レベルが基準となっていることが多いです。

N5レベルでは、単純作業の仕事はできるかもしれませんが、仕事に必要な指示はもちろん、日常生活すら日本語でほとんど対応が難しいレベルです。学生自身にも責任はありますが、言葉がわからないことが原因で、職場でも社会でも、自分の居場所がなくなってしまう現状があるのは事実です。

学生の人生の中で、数年という期間を日本で生活するのであれば、今後の人生が輝くような充実した時間にしてほしい。
そのためには、N4レベルの日本語力は技能実習・特定技能問わず、最低限必要なレベルだと考えています。結果的に、採用企業にとっても、後悔のない採用につながります。