【技能実習・特定技能】今インドネシア人材が熱い!その理由を解説します

Selamat siang, semuanya!

みなさま、こんにちは。 
インドネシアのチカランにあるLPK HINATA Indonesiaです。私たちは、日本人経営の日本語・職業教育訓練機関(LPK)で、日本就職を夢見るインドネシアの若者サポートしています。また、技能実習における認定送り出し機関(SO)としてのライセンスも取得しており、最高品質の教育を提供しています。

今回は、東南アジア諸国を中心とした技能実習や特定技能の制度で、インドネシア人材が一番熱い理由をわかりやすくお伝えします。

この記事を書いているわたしは、インドネシア在住でHINATA Indonesiaのマネージャーをしています。以前はベトナムで4年間日本語教育にも携わっていた経験や、ミャンマー、フィリピンなど東南アジアをよく飛び回っていた経験もあります。

教育の観点からも、外国人材全般的な観点からも、東南アジア諸国をよく理解していますので、経験とあわせて、インドネシア人材が熱い理由を解説します!

インドネシアは大小13,000以上の島が点在しています。
国土としては約192万㎢であり、日本の約5倍の広さです。人口は2.7億人ほどで、日本の約2倍の人が住んでいます。

インドネシアの平均年齢は29歳と若く、急成長中の新興国です。
ちなみに日本の平均年齢は47歳、ベトナムは31歳です。インドネシアに来ると、若者の多さと、それゆえのエネルギッシュさを感じること間違いなしです。今まさに発展の最中にあり、可能性に満ち溢れている国です。

公用語はインドネシア語ですが、300種類以上の種族がいるため、ジャワ語やマドゥラ語など、各地域の言語も存在します。異なる種族間でコミュニケーションが取れるようにできた共通語がインドネシア語であり、文法などが非常に易しいことから、世界で一番習得しやすい言語とも言われています。わたしもインドネシア語の日常会話は3ヶ月程度でできるようになりました。

インドネシアと聞くと、イスラム教を思い浮かべる方も少なくないと思います。
実に国民の約87%がイスラム教で、次にキリスト教、ヒンドゥー教、仏教と続きます。宗教信仰の自由が認められているものの、無宗教は基本的に認められていません。ただ、信仰している宗教があっても、その信仰度合いは人によります。敬虔な方もいれば、全然気にしない方もいるので、人それぞれですね。

技能実習と特定技能の在留資格に絞り、日本で働くインドネシア人材の割合を見てみましょう。
下記の表は技能実習における国籍別の割合を上位5カ国に絞ってまとめたものです。(令和4年度)

技能実習においては、ベトナムが半数を占めています。
次いで、インドネシア人、フィリピン人の順番で占めています。インドネシアは17,4%と多いほうではありますが、やはりベトナム人材の多さが際立っています。

続いて、特定技能における国籍別の割合です。(令和5年度)

こちらも、技能実習とほぼ同じ割合で特定技能の外国人が日本で働いていることがわかります。技能実習と同じく、ベトナム人材が半数を占めていますね。

都心ではコンビニで働く外国人の方を見ない日はないと思いますが、地方では多くの工場や農家などでも、外国人の方が日本の経済を支えてくれています。

東南アジアを中心に、様々な国の外国人材がいる中で、なぜインドネシア人材が一番熱いのか。
その理由をご説明します。

若さと素直さ

技能実習・特定技能ともに多くの割合を占めるベトナム人材よりも平均年齢が若く、それゆえに仕事を吸収するスピードも速いですし、ポジティブに仕事に取り組む前向きさや、学ぶ意欲は非常に高いです。成長を見越して採用することで、自社で将来的に活躍できる人材へと成長し、会社を支える貴重な人材になる可能性を秘めています。

多様性の理解

300以上の種族と、異なる宗教を信仰した国民がともに生活をしているため、生まれた時から多様性に富んだ環境にいます。そのため、日本で働く他の外国人材に対しても、お互いを尊重して接することができ、日本のグルーバル化に貢献できます。他の東南アジア諸国のような単一民族国家の場合、日本の文化や考え方に対してなかなか馴染むことができず、結果的に同じ国籍のコミュニティを作って留まってしまうというケースも珍しくありません。そのようなある種の疎外感は、結果的に離職や最悪の場合、犯罪などにつながるリスクがあります。

今や技能実習・特定技能に限らず、外国人材に日本経済は支えられていると言っても過言ではない状況です。多様性を理解し、お互いを尊重して働ける外国人材は貴重な存在です。

親日な国民性

インドネシアでは、第二言語の履修に日本語を選択することができます。また、日本のアニメや漫画、音楽などの文化は根強い人気があり、日本人気はまだまだ依然として高いままです。

JKT48で大活躍した元AKB48のメンバーでもある仲川遥香さんは、インドネシアで一番有名な日本人だそうです!定期的に日本文化のイベントなども開かれており、多くのインドネシア人が日本に対して興味を持っています。

基本的に東南アジアの外国人材は親日な方が多いですが、残念ながら日本に対して悪いイメージを持っている方もいます。
というのも、一部の技能実習や特定技能で働く外国人材が劣悪な環境で働かされたり、賃金の未払いがあったりと、日本人によるトラブル事例も多くあったからです。海外から、『奴隷制度』と揶揄されることもありました。

当然ながら、不当な扱いをする企業やそれを監視しない/できない登録支援機関や監理団体に原因がありますが、特にベトナムでは日本離れが起きており、日本自体が選んでもらえない国になりつつあります。また、ベトナム人の犯罪がニュースで取り上げられることも増えてきたため、企業としても次の一手を考えています。そこで、技能実習や特定技能の制度自体が改善していることに加えて、インドネシア人材の人柄も相待って、インドネシア人材のニーズが急増しているわけですね。

宗教観

国民の大部分がイスラム教であり、争いを好まず、性格は非常に穏やかでポジティブな考え方をします。
イスラム教と聞くと、テロなどの過激派をイメージする方もいるかもしれませんが、インドネシアでは宗教は信仰の自由があり、信仰度合いも人それぞれです。国の宗教としてイスラム教が強制されているわけでもありません。なので、日本就職を目指す方々は個人の宗教観にのっとったうえで、日本での生活に比較的柔軟に対応できる方が多くいます。

最近は技能実習生や特定技能で働く外国人によるトラブルも多く、車のナンバープレートを盗んだりする外国人の報道を目にした方もいると思います。イスラム教ではお酒が禁止されており、神様が見ているという考え方をするため、トラブルも圧倒的に少なく、安心して採用できます。

加えて、イスラム教ではタトゥーも禁止されています。また、宗教上婚前交渉をしない方も多いため、日本就労後すぐに妊娠し、勤務期間がほぼない中で育児休暇を取得するなど、新たに出てきた技能実習・特定技能の問題も起こる可能性はかなり低いと言っていいでしょう。

ここでは、インドネシア人材を採用する流れを技能実習と特定技能にわけて、説明します。
なお、本記事を執筆している2024年8月段階においては、育成就労がまだスタートしていないため、現行の技能実習についての内容です。

技能実習

技能実習生の受け入れを希望する企業は、技能実習の監理団体(組合)に加盟する必要があります。
加盟した監理団体を通して、現地の送り出し機関に募集を要請し、受け入れのための面接を実施します。面接はオンラインでもできますが、実際にインドネシアの送り出し機関で面接を実施することが多いです。

その後、受け入れが決まった候補者が、現地の送り出し機関で引き続き研修として日本語やマナーなどを学びながら、入国のための手続きをします。在留資格認定証明書(COE)取得後、いよいよ日本へ出国することになります。

なお、技能実習生の受け入れの流れは、基本的に他の国と同じです。

特定技能

一番大きな特徴として、インドネシアの特定技能では、現地の送り出し機関の利用は必須ではありません。そもそも特定技能として、外国人が日本で働くためには2つの基準を満たす必要があります。

  • 日本語能力を示す試験に合格する(JLPTもしくはJFT Basic)
  • 職種ごとの技能試験に合格する(Specified Skilled Worker)

※介護のみ、上記の試験に加えて、介護日本語の試験にも合格する必要があります。

上記の基準をクリアしているインドネシア人は、例えばFacebookなどのSNS上で仕事にアプライをし、内定を取得することが可能です。実際には、インドネシア人材は送り出し機関に所属し、送り出し機関が求人票を取得し、紹介することがほとんどなため、送り出し機関を経由することになります。ただし、送り出し機関とパートナー契約などは任意です。

また、インドネシア政府認定の職業紹介事業者(P3MI)の経由が推奨されていますが、実際にはその限りではないようです。また、IPKOLと呼ばれるインドネシア政府による求人マッチングサービスも推奨されていますが、不明点も多いのが現状です。

例えば特定技能の輩出が一番多いベトナムでは、インドネシアよりも複雑なプロセスが必要になります。二国間の協力覚書(MOC)があることから、様々なやりとりが必要になります。必ず送り出し機関を経由して採用する必要があり、DOLABと呼ばれる労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局に申請を行い、推薦者表を交付される必要があります。それがなければ、在留資格認定証明書(COE)の交付申請ができません。

また、フィリピンも同様に複雑な手続きが必要なり、必ずDMWと呼ばれる移住労働省を経由することが求められます。これは、フィリピン政府が自国の出稼ぎ人材を把握し、保護することが目的だと言われています。採用企業は、DMWの出先機関である在東京フィリピン共和国大使館又は在大阪フィリピン共和国総領事館の移住労働者事務所MWOの示す様式に則って手続きを行います。

インドネシア人材の特定技能は簡単!というわけではありませんが、送り出し機関に関するプロセスがない点はアドバンテージと言えます。

ここでは、インドネシア人材を採用するにあたって、他の外国人材と比較して気を付けるべきポイントである宗教について説明します。国民の87%がイスラム教と先述しましたが、基本的には無宗教の日本人からすると、イスラム教の教えを知って、びっくりすることもあると思います。採用時のミスマッチを防ぐためにも、特徴を把握し、必ず面接では確認が必要です。

1日5回のお祈り

イスラム教では、毎日メッカの方向に向かって5回お祈りをすることになっています。
勤務日でもお昼休みや退勤後にそのままお祈りをし、帰宅することがよくあります。また、男性は金曜日にモスクと呼ばれるイスラム教のお寺に行き、お祈りをするため、お昼の休憩がいつもより長い会社も多くあります。

ちなみにHINATA Indonesiaも金曜日はお昼休みが80分あります。その代わり、定時の時間を後ろにずらして調整しています。

お祈りの習慣については、日本企業の方も戸惑うかもしれませんが、実際には、日本就職をするインドネシア人材の場合は、5回のお祈りを出勤前と退勤後の2回にまとめてする人材もたくさんいます。必ず面接でお祈りについては確認することがオススメです。事前にできることとできないことを伝えておけば、あとで問題になることはありませんが、曖昧なまま面接を進めてしまうと、ミスマッチが起こります。ご注意ください。

約1ヶ月間の断食(ラマダン月)

イスラム教では2月から3月にかけて、日の出から日の入りまで約1ヶ月の断食を行う期間があり、ラマダンと呼ばれます。
断食はプアサと呼ばれますが、食事だけではなく、飲み物も飲むことができません。なので、例えば現場仕事など、体力が必要な仕事の場合は、健康面で注意が必要です。また、朝も3時前には起きて食事をするため、日中は睡眠不足で生産性が下がってしまうことも少なくありません。日本で働く期間でも断食をするかどうかは人によりますので、面接時に確認をするといいでしょう。

断食明けのレバラン休暇

ラマダンを過ごしたあと、約1週間程度の連休があり、レバランと呼ばれます。
日本で言うお正月のようなイメージです。この期間はお店なども閉まることが多く、多くのインドネシア人が家族といっしょに時間を過ごします。

日本にいるインドネシア人材の場合、この期間に一時帰国を希望して、休みを取りたがる可能性もあります。
ですが、インドネシア人材を複数採用しており、一斉に休暇の申請があると、会社としても困ってしまいます。なので、レバランの期間の休暇に関しては、少し期間をずらせないかインドネシア人材と話すなど、会社として対応が必要になります。

とは言ったものの、日本で働くインドネシア人材は、国の家族のための出稼ぎが大きな目的でもありますので、休みを取らない方もたくさんいます。一時帰国をどのくらいの頻度で希望するかなど、面接時に聞いておくことがオススメです。

豚肉とお酒の禁止

イスラム教では、豚は不浄の動物とされ、食べることはもちろん、見ることさえ毛嫌いする方もいます。
また、お酒も宗教上禁止されています。イスラム教の方をムスリムと呼びますが、ムスリム向けの食事をハラルと言い、豚肉(エキスなども含む)を含んでいない食事を提供しています。

日本にはあまりハラルのお店や食材がないため、食事には注意が必要です。
歓迎会などの飲み会や食堂などでも、提供される食事に手がつけられない可能性もあります。なので、食事の席では、食べることを勧めることはせず、食べられるものを自分で選んでもらうといいでしょう。

女性のヒジャブ着用

ムスリムの女性が頭に巻くスカーフのようなものはヒジャブと呼ばれます。
ムスリムでもヒジャブをつけない方、ファション感覚でつけている方もいますが、元々の目的は女性が男性から性的な目で見られないようにするものでした。

飲食店での接客などの場合、ヒジャブをつけている人材でも良いか、接客上のイメージは問題ないかなど、面接前に必ず会社内で相談しておくことがオススメです。基本的に、ヒジャブをはずすように、という指示はなかなかしにくいため、最初からヒジャブをかぶらない女性の候補者を面接する必要があります。

また、農業などの屋外作業の場合、暑さを心配してヒジャブをとるように本人に言いたくなるかもしれません。
ですが、ヒジャブはムスリムの女性のアイデンティティでもありますので、ヒジャブ着用許可のもと採用した場合は、本人に任せるようにしたほうがよいでしょう。

ここまでで、インドネシア人材のことをよく理解していただけたでしょうか?

宗教上の配慮が必要な点はありますし、外国人材ということで、日本での生活でサポートが必要な点は他の外国人材同様にたくさんあります。それでも、母国で日本語を学び、日本就職を夢見て来日し、結果的に日本の経済を支えてくれる貴重な人材です。

採用企業の皆さんにとってもミスマッチにならないように、インドネシアの文化などを理解し、お互いにとって良い採用になるようにしてください。

インドネシア人材、熱いですよ!

そんな熱い人材をご希望でしたら、お気軽に問い合わせフォームからご連絡ください。
お待ちしております。

それでは、Sampai jumpa lagi!