SISKOP2MI登録とは|監理支援機関が知っておくべきインドネシア側の手続きと必要書類

SISKOP2MI登録とは 日本側が出す4つの書類


この記事の結論

SISKOP2MIへの登録はインドネシア側が行う。日本側の役割は、大使館の検証を通る4つの書類を正しく出すことに尽きる。

送出機関から「SIP2MIがまだ出ていないので出国できません」と言われても、日本側の何と連動しているのか分からない——インドネシア案件でよくある状況です。日本側が実際に何を握っているのかを、一次資料だけで整理します。

SISKOP2MIとは何か

SISKOP2MIは、インドネシア移住労働者保護省(KP2MI/旧・移住労働者保護庁 BP2MI)が運営する、インドネシア人労働者の海外配置と保護を一元管理するオンラインシステムです。正式名称は Sistem Komputerisasi Pelindungan Pekerja Migran Indonesia。出入国在留管理庁の資料では「海外労働者管理システム(SISKOP2MI)」と表記されています。

制度の土台は2017年法律第18号(インドネシア移住労働者の保護に関する法律)です。この法律のもとで、送出機関(P3MI)が労働者を海外へ送り出すには案件ごとにSIP2MI(募集許可書/Surat Izin Perekrutan Pekerja Migran Indonesia)を取得しなければならず、その申請窓口がSISKOP2MIになっています。

一般公開ポータル(siskop2mi.bp2mi.go.id)では、求人検索、本人の登録と応募、契約更新、健康診断機関の予約が提供されます。SISKOP2MIは「許可のシステム」であると同時に、「本人が正規ルートかを確認できる場所」でもあります。

日本の監理支援機関もSISKOP2MIに登録するのか

結論から言うと、日本側がSISKOP2MIを直接操作することはありません。移住労働者保護省規則2025年第2号 第5条第1項は、申請主体を「P3MIが、SISKOP2MIを通じてオンラインで大臣/長官に申請する」と定めています。

ただし無関係ではありません。同規則第1条は、送出先の相手方をMitra Usaha(ミトラ・ウサハ=業務提携先)として「配置先国において法人格を有する機関または事業体で、インドネシア人労働者を雇用主に配置する責任を負うもの」と定義しています。日本の機関類型(監理支援機関・登録支援機関・職業紹介事業者)のどれが当たるかを規則は個別に定めていませんが、いずれにせよ日本側はシステムを操作する側ではなく、システムに審査される側です。

SIP2MIが出るまでに、日本側は何を出すのか

同規則 第6条第1項は、SIP2MI申請の必須添付書類を4点挙げています。このうち3点は日本側が作るか、日本側が署名する書類です。

原語の書類名日本語での呼び方誰が用意するか
Perjanjian Kerja Sama Penempatan配置に関する業務提携契約日本側と送出機関が締結
Surat Permintaan Pekerja Migran Indonesia人材要請書(Job Order/Demand Letter)日本側
Rancangan Perjanjian Kerja雇用契約書(案)日本側(受入企業)
Rancangan Perjanjian Penempatan配置契約書(案)送出機関と本人

KP2MIの業務手順書(SOP Mikro)でも実質同じ4点が挙げられています(人材要請書はJob Orderと表記)。実務上は4点のうち3点が日本側発の書類になります。日本側の書類が整わない限り、送出機関はSIP2MIの申請を始めることすらできません。

日本側の書類は、誰がいつ検証するのか

ここが落とし穴です。同規則 第6条第3項は、これらの必須書類について「あらかじめ、統合されたシステムを通じて、権限を有する官吏(Pejabat yang Berwenang)またはKDEIによる検証を受けなければならない」と定めています。同規則第1条は「権限を有する官吏」を、労働アタッシェ、指名された在外公館職員、任命された現地職員と定義しています(KDEIは台北の機関で、日本の案件では無関係です)。日本にあるインドネシアの在外公館は駐日インドネシア共和国大使館(東京都品川区東五反田5-2-9)です。

順序を間違えないこと。「日本側の書類作成 → 在外公館での検証 → 送出機関がSISKOP2MIでSIP2MIを申請」の順です。検証は統合システム上で行われます。検証を受けていない書類は、申請の入り口で止まります。

SIP2MIは申請から何日で出るのか

同規則 第7条第1項は、書類の検証結果が「完備している」と確認された時点から、最長2営業日以内にSIP2MIを発給すると定めています。

SOP Mikroは省内の処理を、申請受付15分・書類検証60分・非政府配置局長による承認60分・SIP2MI発給30分・SISKOP2MIへの求人情報掲載5分に分けています。

注意すべきなのは、この2営業日が「検証完了後」の期間だという点です。手続全体の所要期間ではなく、日本側が書類を作って在外公館の検証を受けるまでの期間は含まれていません。「あと2日で出ます」と言われたら、それが在外公館の検証を終えた後の話なのかを確認してください。

特定技能では、どの順番で手続きが進むのか

同庁の資料「インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」は、SISKOP2MIが日本側手続のどこに挟まるかを明示しています。

手続
労働市場情報システム(IPKOL)への登録・求人申込
雇用契約の締結
③〜⑤在留資格認定証明書の交付申請 → 交付 → 送付
⑥⑦SISKOP2MIへ登録 → ID番号の発行
⑧⑨在インドネシア日本国大使館等へ査証申請 → 発給
移住労働者証(E-PMI)の発行
出国 → 特定技能外国人として入国

COE(在留資格認定証明書)の交付後にSISKOP2MI登録が来る点に注目してください。日本側の手続が終わっても、登録・ID発行・査証・移住労働者証の工程が残ります。入社日の逆算には、この後段を必ず織り込んでください。

なお同庁の「インドネシアに関する情報」ページは「インドネシアについては、インドネシア側の手続を行ったことを証明する書類を在留諸申請において提出する必要はありません。」と明記しています。ただし提出不要と手続不要は別です。SIP2MIがなければ、本人はインドネシア人労働者としての正規の送出手続を完了できません。

すでに日本にいる人を採用するときは何が違うのか

同庁のフロー図は国内在留者の順序も示しています。①雇用契約の締結 → ②SISKOP2MIへ登録 → ③移住労働者証(E-PMI)の発行 → ④駐日インドネシア大使館への海外労働者登録手続(届出)→ ⑤登録手続済証明(推薦状)の発行 → ⑥在留資格変更許可申請 → ⑦許可、という流れです。

この場合、インドネシア側の登録が在留資格変更許可申請より前に来ます。技能実習修了者を特定技能で採用するケースで、ここを後回しにするとスケジュールが崩れます。

育成就労ではSISKOP2MIはどう関わるのか

ここはまだ確定していない、というのが2026年8月時点の正確な答えです。

外国人技能実習機構は「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」の冒頭で、「育成就労制度では、悪質な送出機関の排除に向けた取組を強化するために、原則として、二国間取決め(MOC)を作成した国からのみ受入れを行うこととしています。」と述べています。同一覧(2026年8月12日掲載・更新)で、インドネシアのリスト種別は「暫定」二国間取決め作成日の欄は空欄です。

一方、技能実習・特定技能については2019年6月25日に協力覚書が署名済みです。特定技能の覚書は、同庁の記載によれば2024年6月21日に2年間更新(同年6月25日から有効)され、さらに2026年6月23日に6か月間の更新(同年6月25日から有効)がなされています。6か月という短さは、次の更新時期が近いことを意味します。

したがって育成就労は、①二国間取決めの作成、②暫定リストから「認定」リストへの切替え——この2点が受入れ計画を確定させる前提です。2点が動いた段階で、インドネシア側の経路(P3MIによるSIP2MI取得か、別の枠組みか)もあわせて確認してください。公表されていない事項を前提に受入れ時期を確定させるのは避けるべきです。

監理支援機関が今すぐ確認できることは何か

SISKOP2MI自体は日本側から触れませんが、その手前の論点は明確です。

  • 提携先がP3MIとして有効に登録されているか。SIP2MIはP3MIにしか発給されません。
  • 業務提携契約・人材要請書・雇用契約書案の3点が、在外公館の検証を受けた版になっているか。日本側で内容を修正すれば、検証はやり直しになります。
  • 雇用契約書案の記載(賃金・労働時間・社会保険・住居費)を、送出機関と事前にすり合わせてあるか。修正の往復が最も時間を食う工程です。
  • 工程表に、COE交付後のSISKOP2MI登録・ID発行・査証・E-PMIが入っているか。
  • 育成就労を検討中なら、インドネシアの二国間取決めの作成状況を機構のページで定期的に確認しているか。

SISKOP2MIの前で案件が止まる理由のほとんどは、システムではなく日本側の書類にあります。送出機関に「まだですか」と聞く前に、自社が出した3点が検証済みかを確認する。それがいちばん早い解決策です。

出典

  • インドネシア共和国 2017年法律第18号「インドネシア移住労働者の保護に関する法律」(Undang-Undang Republik Indonesia Nomor 18 Tahun 2017 tentang Pelindungan Pekerja Migran Indonesia)
  • インドネシア移住労働者保護大臣/移住労働者保護庁長官規則 2025年第2号「インドネシア移住労働者募集許可書の発給および取消しの手続に関する規則」(Peraturan Menteri Pelindungan Pekerja Migran Indonesia/Kepala Badan Pelindungan Pekerja Migran Indonesia Nomor 2 Tahun 2025 tentang Tata Cara Penerbitan dan Pencabutan Surat Izin Perekrutan Pekerja Migran Indonesia)2025年1月9日ジャカルタにて制定。第1条、第5条第1項、第6条第1項・第3項、第7条第1項
  • インドネシア移住労働者保護省「SIP2MI発給に関する業務手順書」(Standar Operasional Prosedur Mikro - Penerbitan SIP2MI)
  • SISKOP2MI 公開ポータル(siskop2mi.bp2mi.go.id)よくある質問
  • 出入国在留管理庁「~特定技能外国人の受入機関の方々へ~ インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ【インドネシアから新たに受け入れる場合】」
  • 出入国在留管理庁「インドネシア特定技能外国人に係る手続の流れについて」(フロー図)
  • 出入国在留管理庁「インドネシアに関する情報」(特定技能に関する各国別情報)
  • 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」2026年8月12日掲載・更新
  • 外国人技能実習機構「送出国政府窓口と二国間取決め」(インドネシアとの協力覚書 2019年6月25日)

※本記事は2026年8月17日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。

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