P3MIとは?インドネシアの送り出し機関・認定送出機関(SO)・LPKの違いと、日本の受入れ側が確認すること

P3MI・SO・LPK 3つの違いを整理


P3MIはインドネシア政府が許可した職業紹介会社です。技能実習の認定送出機関とは別の制度で、特定技能での利用は任意です。

「インドネシアの送り出し機関を探しています」というご相談では、P3MI・SO(認定送出機関)・LPKの3語が混ざりがちです。根拠法令も許可を出す役所も別で、混同したまま契約に進むと手戻りが起きます。以下、一次資料で整理します。機関を探している方はP3MI一覧と送り出し機関一覧もご覧ください。

P3MIとは何か?インドネシア政府が許可する「配置会社」

P3MIは Perusahaan Penempatan Pekerja Migran Indonesia の略で、根拠法は2017年法律第18号「インドネシア人移住労働者の保護に関する法律」です。同法第1条第9号の定義はこうです(雇用創出法による改正後の文言。2026年大臣規程第2号の第1条も同じ定義です)。

badan usaha berbadan hukum perseroan terbatas yang telah memperoleh izin tertulis dari Pemerintah Pusat untuk menyelenggarakan pelayanan penempatan Pekerja Migran Indonesia

(移住労働者の配置サービスを行うために中央政府から書面による許可を得た、株式会社形態の法人)

ポイントは2つ。株式会社(perseroan terbatas=PT)に限られること、許可の主体が中央政府=国だということ(所管はインドネシア人移住労働者保護省=KP2MI)。同法第49条は配置実施者をa号の政府機関、b号のP3MI、c号の自社配置企業に限定し、日本側が向き合う民間の相手はb号です。

手続の詳細はインドネシア人移住労働者保護大臣規程2026年第2号(2026年2月25日制定)が定めます。配置ルートごとに章が分かれており、第2章がKP2MI/BP2MIによる配置(いわゆるG to G。第4条〜第24条)、第3章がP3MIによる配置(第25条〜第46条)、第4章が自社配置(第47条〜第58条)です。条文を引くときはどの章かを先に確かめてください。G to Gの条文をP3MIの案件に当てはめる誤りが多い箇所です。

P3MIと技能実習の「認定送出機関(SO)」はどう違うのか?

ここが最も誤解されます。出入国在留管理庁は特定技能の「インドネシアに関する情報」で、次のように明示的に注記しています。

※P3MIは、インドネシア人労働者の海外への送り出しを行っていますが、技能実習生の送り出しに関与するインドネシアの「認定送出機関」とは異なります。

技能実習の「外国の送出機関」の要件は技能実習法施行規則 第25条(第1号〜第10号)です。第25条は項に分かれていないため、引用は「第25条第1項第1号」ではなく「第25条第1号」が正しい表記です。第1号は所在国の公的機関からの推薦を求めます。日本とインドネシアは2019年6月25日に技能実習のMOCを署名済みなので、外国人技能実習機構(OTIT)の「外国政府認定送出機関一覧(技能実習)」への掲載が実務上の前提です(2026年9月29日版が最新)。

P3MI認定送出機関(SO)LPK
役割海外への職業紹介・配置技能実習の申込みの取次ぎ職業訓練(日本語・技能)
根拠法令2017年法律第18号技能実習法施行規則 第25条2003年法律第13号 第13条・第14条
許可の主体インドネシアの中央政府インドネシア政府が認定・OTITが公表県・市の地方政府(外国資本が入る場合は中央政府)

同じ会社がP3MIでもLPKでもあることも、P3MIの許可はあるが技能実習の認定送出機関ではないこと(その逆も)もあります。「送り出し機関です」だけでは、どの制度に対応できるか分かりません。制度ごとに許可を確認してください。

表のLPK(Lembaga Pelatihan Kerja=職業訓練機関)は、2003年法律第13号第13条第1項・第14条第1項(2023年法律第6号による改正後)にもとづく県・市の地方政府の許可です(外国資本が入るLPKは中央政府)。教育の許可であって、海外へ人を配置してよい許可ではありません。

P3MIの許可(SIP3MI)はどうすれば取れるのか?

事業許可 SIP3MI の要件は2017年法律第18号第54条第1項が定めます。払込資本金Rp 5,000,000,000(50億ルピア)、預託金Rp 1,500,000,000(15億ルピア)、3年以上の事業計画、配置サービスの施設・設備など。

この水準は相手が実体のある会社かを判断する材料になります。SIP3MI番号を教えてもらえない、政府システムで確認できない場合は理由を確かめてください(手順はSISKOP2MIの記事)。

募集許可(SIP2MI)で日本側が出す書類は何か?

SIP3MIが「会社として配置事業を行ってよい」という許可である一方、SIP2MI(Surat Izin Perekrutan Pekerja Migran Indonesia)は案件ごとの募集許可です。2026年大臣規程第2号第25条第2項の添付書類は次の4点(2017年法律第18号第59条第4項に対応)。

第25条第2項書類誰が出すか
a号配置に関する協力協定書(Perjanjian Kerja Sama Penempatan)日本側とP3MI
b号人材要請書(surat permintaan=求人票/Job Order)受入企業
c号配置契約書の案(Perjanjian Penempatan)P3MIと労働者
d号雇用契約書の案(Perjanjian Kerja)受入企業と労働者

このうちb号とd号は日本側が作る書類です。ここが遅れるとSIP2MIが出ず、候補者がどれだけ日本語を仕上げても手続は進みません。出入国在留管理庁の資料は、日本側の職業紹介事業者が、求人票(Job Order)に加えて、P3MIとの間で結んだ職業紹介の提携に係る契約書と雇用契約書(暫定版)などを駐日インドネシア大使館に提出し、確認を受ける必要がある、と説明しています。

全体の流れは受入れの流れをご覧ください。

特定技能でP3MIの利用は必須なのか?

必須ではありません。出入国在留管理庁はこう書きます。

インドネシアについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、インドネシアの職業紹介事業者(P3MI)の利用は任意とのことです。

ただし「任意」は「不要」とは違います。同庁の資料は、労働市場情報システム(IPKOL)への登録を「インドネシア側は強く希望しています」と記し、在留資格認定証明書の交付後・査証申請の前に海外労働者管理システム(SISKOP2MI)へのオンライン登録が必要とされること、出国前の手続後に移住労働者証(E-PMI)が発行されることを記しています。

これらはインドネシア側のルールで、日本の在留審査の要件ではありません。ただし実務では、SISKOP2MIに登録できなければ出国できません。日本側の法令要件とインドネシア側の手続は分けて管理を。

契約前に確認すべき5項目

  1. SIP3MI番号があるか— 書面でもらい、政府システムで照合する。
  2. 扱う制度に対応した許可があるか— 技能実習はOTITの認定送出機関一覧、育成就労は暫定リストで確認。
  3. 教育をどこが行うか— 自社のLPKか外注か。学習時間と到達目標をカリキュラムで確認。
  4. 費用の算出基準を公表しているか— 本人負担を1円単位で出せるか。「一式」は内訳を求める。
  5. 日本側が出す書類は何か— 求人票・雇用契約書案の雛形と期限を最初にもらう。

費用の算出基準を公表することは、技能実習法施行規則第25条第3号・育成就労法施行規則第20条第4号のいずれでも送出機関の要件です。育成就労では「インターネットその他の適切な方法を利用して公衆の閲覧に供する方法により公表する」という文言が加わりました。訪問時の要点は送出機関のチェックポイントの記事にまとめています。

HINATAの体制

当校は2社に分けて運営しています。PT. LPK HINATA Indonesiaが教育と送出(日本語は全対面・全寮制で800時間、到達目標A2標準、JLPT N4必須)、PT. HINATA HUMAN LINKが職業紹介でSIP3MI番号は 11072400463380004(2024年11月14日発行)。LPKとP3MIが別の許可だからです。費用は費用ページに本人負担の内訳まで公開、現地視察・面接・候補者紹介は無料です(現地視察のご案内)。

出典

  • インドネシア共和国 2017年法律第18号「インドネシア人移住労働者の保護に関する法律」(Undang-Undang Nomor 18 Tahun 2017 tentang Pelindungan Pekerja Migran Indonesia)第1条第9号・第49条・第54条・第59条 ― 官報掲載版(PDF)(制定時の条文。第1条第9号の「大臣」は雇用創出法による改正で「中央政府」)
  • インドネシア人移住労働者保護大臣規程 2026年第2号「配置実施者によるインドネシア人移住労働者の配置手続に関する規程」第25条 ― KP2MI 法令情報サイト(PDF)
  • インドネシア共和国 2003年法律第13号「労働に関する法律」第13条・第14条(2023年法律第6号による改正後)
  • 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則 第1条第8号・第25条 ― 厚生労働省 法令等データベース
  • 外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則(令和7年9月30日 法務省令・厚生労働省令第4号)第20条 ― 出入国在留管理庁(PDF)
  • 出入国在留管理庁「インドネシアに関する情報」 ― ページ
  • 出入国在留管理庁「~特定技能外国人の受入機関の方々へ~インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」 ― PDF
  • 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(技能実習)」 ― ページ/インドネシア(2026年9月29日版・PDF)
  • 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」 ― ページ
  • 厚生労働省「日本国政府とインドネシア共和国政府との間の技能実習制度に関する協力覚書」(2019年6月25日署名) ― ページ/日本語仮訳(PDF)

※本記事は2026年10月5日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。

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HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。

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