LPKとは?インドネシアの職業訓練機関の役割と、送り出し機関(SO)・P3MIとの違い

LPKとは?職業訓練機関とSO・P3MIの違い


LPKはインドネシアの職業訓練機関です。訓練を行うための許可であり、海外へ人を送る許可ではありません。技能実習の送り出しや海外就労の職業紹介には、それぞれ別の許可が要ります。

インドネシアには社名に「LPK」と付く会社が多く、日本側では「LPK=送り出し機関」と受け取られがちです。実際には、LPKの許可が対象とするのは職業訓練です。国外での実習と海外就労の配置には、法律がそれぞれ別の許可を定めています。この記事では、LPKの根拠法令と許可の仕組み、SO(技能実習の送り出し機関)・P3MIとの違いを一次資料で整理します。P3MIの詳細はP3MIとは?をご覧ください。

LPKとは何か?インドネシアの法律が定める「職業訓練機関」

LPKは Lembaga Pelatihan Kerja の略で、根拠法は2003年法律第13号「労働に関する法律」です。同法第1条第9号は、職業訓練(pelatihan kerja)をこう定義しています。

keseluruhan kegiatan untuk memberi, memperoleh, meningkatkan, serta mengembangkan kompetensi kerja, produktivitas, disiplin, sikap, dan etos kerja pada tingkat keterampilan dan keahlian tertentu sesuai dengan jenjang dan kualifikasi jabatan atau pekerjaan

(職務や仕事の段階・資格に応じた一定の技能・専門性の水準で、職業能力、生産性、規律、態度、勤労意欲を与え、身につけ、高め、伸ばすための活動の全体)

同法第13条第1項(2023年法律第6号による改正後)は、職業訓練を行う主体を政府の訓練機関、民間の訓練機関、企業の訓練機関の3つとしています。日本の監理団体や登録支援機関が現地で会う「LPK」の多くは、2つ目の民間の訓練機関(LPK swasta)です。

LPKの許可はだれが出すのか?

民間のLPKについて、同法第14条(改正後)は次のように定めます。

  • 第1項:県・市(kabupaten/kota)の地方政府が発行する事業許可(Perizinan Berusaha)を満たさなければならない。
  • 第2項:外国資本が入る訓練機関の事業許可は、中央政府が発行する。
  • 第3項:事業許可は、中央政府が定める基準(NSPK)を満たさなければならない。

許可の基準は労働大臣規則2025年第14号(労働分野のリスクベース事業許可の標準、2025年11月21日公布)が定めます。以前の労働大臣規則2016年第17号は、2024年第6号により廃止されています。日本語の解説には2016年の規則を前提にしたものが残っているので、参照するときは日付を確かめてください。

許可とは別に、訓練機関の認定(akreditasi)の制度があります。第16条第1項は、許可を得た民間の訓練機関などが認定を受けられると定め、手続は労働大臣規則2022年第5号によります。

LPK・SO・P3MIは何が違うのか?

3つは許可の対象となる事業が違います。

LPKSO(技能実習の送り出し機関)P3MI
何の許可か職業訓練インドネシア国外での実習の実施移住労働者の配置(職業紹介)
根拠2003年法律第13号 第13条・第14条同法 第25条、労働移住大臣規則 PER.08/MEN/V/20082017年法律第18号 第1条第9号(改正後)・第49条
許可の主体県・市の地方政府(外国資本が入る場合は中央政府)大臣または指定された官吏(規則上は総局長)中央政府
日本側の制度入国前の教育全般技能実習(認定送出機関)特定技能など

SOは、LPKの許可の上に重ねる許可

2003年法律第13号第25条第1項は、インドネシア国外で行う実習(pemagangan)について大臣または指定された官吏の許可を求め、同条第2項は実施者をインドネシアの法人に限っています。細目を定める労働移住大臣規則 PER.08/MEN/V/2008 第4条は、民間のLPKが国外での実習を行う条件として、有効なLPKの許可、実習プログラム、総局長による実施許可を挙げています。

つまり、民間のLPKが技能実習の送り出しを行う場合は「LPKの許可+国外実習の実施許可」の2段構えです。なお「SO」は実務での呼び名で、法令上の用語は「国外実習の実施者(penyelenggara pemagangan di luar negeri)」です。

日本側では、技能実習法施行規則第25条が外国の送出機関の要件を定めています。2019年6月25日に署名された日本・インドネシア間の協力覚書にもとづき、インドネシア政府が認定した送出機関が外国人技能実習機構(OTIT)のサイトで公表されています。相手が技能実習に対応できるかどうかは、OTITの一覧で確認します。育成就労の暫定リストは、当サイトの送り出し機関一覧にまとめています。

P3MIは、LPKとは別系統の許可

2017年法律第18号第49条が挙げる移住労働者の配置の実施者は、政府機関、P3MI、自社の労働者を配置する企業です。条文が挙げるのはこの3つで、訓練機関(LPK)は挙げられていません。特定技能で職業紹介まで任せたい場合は、相手のグループにP3MIの許可を持つ会社があるかを確認してください(P3MI一覧)。

LPKの教育は、日本側の負担にどう効くのか?

LPKは許可の種類としては「訓練だけ」ですが、日本側のコストと定着を左右するのはこの訓練の中身です。

技能実習法施行規則第10条第2項第7号ハは、入国後講習の時間数を第1号技能実習の予定時間全体の6分の1以上としています。ただし、技能実習生が過去6か月以内に、日本国外で、日本語・日本での生活一般・円滑な技能修得に役立つ知識のいずれかについて、1か月以上かつ160時間以上の課程の座学講習(入国前講習)を受けていれば、12分の1以上で足ります。

対象になるのは、監理団体が自ら行うか他者に委託して行う講習、または外国の公的機関・教育機関が行い、監理団体が入国後講習に相当すると認めた講習です。

LPKでの教育がこの条件を満たせば、入国後講習に必要な時間数の下限が半分になります。LPKの教育を入国前講習として扱うには、監理団体からの委託など、上の実施者の条件に当たる形にしておく必要があります。時間数の記録と科目を、書面で出してもらってください。

LPKと組む前に確認する5項目

  1. LPKの事業許可があるか— 許可証の写しをもらい、発行元(県・市か中央政府か)と会社名・所在地を照合する。
  2. 技能実習に対応できるか— OTITの認定送出機関一覧に、同じ会社名で載っているかを確認する。
  3. 職業紹介はどの会社が行うか— 特定技能で紹介まで頼むなら、P3MIの許可を持つ会社名とSIP3MI番号を確認する。
  4. 教育の時間数と到達目標— 総時間、対面かオンラインか、目標とする日本語レベルをカリキュラムで確認する。
  5. だれが教えるか— 講師の日本語資格と、日本での就労経験の有無を確認する。

HINATAの場合

当校は自社でLPKを運営しています。PT. LPK HINATA Indonesiaが教育と送出を担い、職業紹介は別会社のPT. HINATA HUMAN LINK(P3MI、SIP3MI番号 11072400463380004)が行います。LPKとP3MIが別の許可だから、2社に分けています。

日本語は全対面・全寮制で800時間(5〜6か月)、到達目標はA2標準、JLPT N4は必須です。収容可能人数は90名。設立からの2年間で210名を送り出し、日本入国後の退職・転職は0名、途中帰国・失踪は0件です。教育の内容は教育ページ、校舎と授業は現地視察で直接ご確認いただけます(視察・面接・候補者紹介は無料)。

出典

※本記事は2026年10月8日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。

FOR PARTNERS
監理支援機関・登録支援機関・受入企業の皆さまへ

HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。

入国前講習800時間の実施により、貴団体の入国後講習は320時間 → 110時間になります(1人あたり約29万円の差)。