インドネシア人材の面接は、現地でもオンラインでも行えます。特定技能でP3MI(インドネシアの職業紹介会社)を介する場合、面接は必ず受入機関(受入企業)が行うと、出入国在留管理庁の資料にあります。技能実習・育成就労では、候補者との面接は、運用要領で監理団体(監理支援機関)が自ら行う業務とされています。準備の中心は、条件を本人が理解できる言語の書面にすることと、質問を先に決めておくことです。
この記事は実務の手引きです。制度上の決まりは一次資料で確かめて出典を示し、それ以外は当校(HINATA)の見解として書きます。採用全体の流れは特定技能でインドネシア人を採用する流れと受入れの流れをご覧ください。
インドネシアでの面接(特定技能・技能実習生の現地面接)は、オンライン面接と何が違うか?
下の表は当校の整理です。
| 現地面接 | オンライン面接 | |
|---|---|---|
| 確認できること | 受け答え、実技、作業の正確さ、集団の中での様子。校舎・寮・授業も見られる | 受け答えと日本語の聞き取り。実技は画面に映る範囲まで |
| 準備 | 日程と人数の調整、実技の課題と道具、通訳、条件の書面 | 接続テスト、資料の事前送付、通訳、条件の書面 |
| 出席者 | 採用を決める人、現場の責任者、監理団体・登録支援機関の担当者 | 同じ。現場の責任者も参加しやすい |
| 費用 | 渡航費・宿泊費は各社のご負担。HINATAの面接・現地視察は無料 | 渡航費はかからない。HINATAの面接は無料 |
| 向いている場面 | 初めての取引、人数の多い採用、実技を重く見る職種 | 少人数の追加採用、2回目以降、日程を急ぐとき |
監理団体が受入企業から徴収できる費用には定めがあります。技能実習法施行規則第37条の表は、監理費のうち職業紹介費を、募集及び選抜に要する人件費、交通費、外国の送出機関へ支払う費用などの実費を超えない額としています。育成就労法施行規則第56条(2027年4月施行)の監理支援費も同じ定め方です。
面接について、制度は何を決めているか?
特定技能:P3MIを介する場合、面接は必ず受入企業が行う
出入国在留管理庁の「手続の解説」は、P3MIを介して受け入れる場合について、こう書いています。
申請人との面接は、必ず受入機関が行う必要があります。この際、P3MIが同席することは可能ですが、P3MIが独自の基準で申請人をどの受入機関と面接させるかを選考したり、受入機関に申請人の情報を提供したりすることはできません。
インドネシア側では、移住労働者保護大臣規程2026年第2号第31条が、選考は求人で求められた職種の要件に沿って行い(第2項)、日時・場所・方法(オンラインか対面か)はP3MIが地方政府などと調整して定める(第3項)としています。選考には雇用主や提携先(Mitra Usaha)を参加させることができます(第4項)。駐日インドネシア大使館は、求人票の検証の申請を候補者の募集より前に行うよう求めています(求人票の大使館検証)。
技能実習・育成就労:面接は監理団体が自ら行う業務。条件は直接説明する
技能実習制度運用要領(第5章第15節)は、送出国に赴いて候補者と面接することを、監理団体が自ら行うべき業務(雇用関係の成立のあっせん)に含めています。委託できる例は、協議への同席や面接会場の設営です。これは面接を他人に任せられないという整理で、面接の回数や方法を定めたものではありません。育成就労制度運用要領も、監理支援機関について同じ整理です。技能実習では、優良な監理団体かどうかの採点表(150点満点)に、監理団体の役職員による送出国での事前面接(5点)があります(加点には少なくとも年に1回の実施が必要)。
育成就労法施行規則第13条第2項第6号ハ(4)は、雇用契約を結ぶにあたり、受入企業または監理支援機関が、対面またはテレビ電話装置その他の方法で、業務の内容、労働条件、入国後講習中の待遇などを本人に説明していることを求めます。育成就労制度運用要領は、録画を見せる方法や電話だけの説明は認められないとし、母国語を併記した雇用契約書・雇用条件書を示して、手取り額、宿泊施設(写真)、業務(動画など)を説明するよう求めています。技能実習制度運用要領も、可能な限り通訳をつけ、本人の言語で待遇を説明する(オンラインを含む)よう求めています。
面接で尋ねないこと
厚生労働省「公正な採用選考の基本」は、適性と能力に関係のない事項を面接で尋ねて把握することは、就職差別につながるおそれがあるとしています。挙げられているのは、本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境・家庭環境、宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合・学生運動などの社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書に関することです。選考の方法では、身元調査や、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断などが挙げられています。これは厚生労働省が事業主に向けて示している考え方です。当校は、海外で行う面接も同じ考え方で組むことをお勧めします(当校の見解で、法令の適用範囲を述べるものではありません)。
現地面接とあわせて、校舎・寮・授業をご覧いただけます。視察と面接は無料です。
面接の前に何を準備するか?
ここからは当校の見解です。
- 条件を書面にして先に渡す— 業務の内容、勤務地、賃金、控除の内訳と手取り額、労働時間、休日、寮。インドネシア語を併記する。
- 職場と住まいを見せる— 作業の様子、寮の部屋、周辺の写真や動画を用意する。
- 通訳を決める— 条件の説明は通訳を介し、日本語の確認は通訳なしで行う。
- 時間を配分する— 会社の説明、質問、実技、候補者からの質問に区切る。
- 実技の課題と評価の基準を決める— 当校が考える例は、介護は声かけと介助の動作、製造は指示どおりの組立て、建設は工具の扱いと安全確認、食品は衛生の手順です。
日本語はどう確かめるか
国際交流基金のJFT-Basicの案内は、A1を、相手がゆっくりはっきり話し、助けがあれば簡単なやり取りができる水準、A2を、身近で日常的な事柄について簡単な情報交換に応じられる水準と説明しています。面接では短い文でゆっくり話し、指示を1つ出して動いてもらう、言われたことを言い直してもらう方法で聞き取りを確かめます。厚生労働省のモデル事業のマニュアルも、やさしい日本語で質問し、質問を事前にリストにするよう勧めています。
インドネシア人の面接で使える質問例は?
当校の例です。仕事に必要な適性と能力を確かめる質問に絞っています。
- 志望と仕事の理解— この仕事を選んだ理由は何ですか。/求人票の仕事の内容を、自分の言葉で説明してください。/日本で何年働きたいですか。
- 働き方(業務に必要な範囲で)— 夜勤や交替勤務があります。できますか。/重い物を持つ作業があります。経験はありますか。
- 日本語— 自己紹介をしてください。/(指示を1つ出して)今の指示をもう一度言ってください。
- チームワーク— わからないことがあったとき、どうしますか。/同僚と意見が違ったとき、どうしましたか。
尋ねるのではなく、会社から説明すること
ここは当校の考えです。礼拝のための休憩、食事、断食の時期の扱いなどは、採否の材料にせず、職場の条件として会社から説明します。個別の希望は、採否と切り離して内定後に聞きます。厚生労働省のモデル事業のマニュアルは、面接で希望を聞き、準備できる範囲を伝える例を挙げています。上の「公正な採用選考の基本」とは向きが違うので、当校は会社の説明を先に行う形をお勧めします。
- 礼拝— 休憩時間の取り方と、使える場所があるか。
- 食事— 社員食堂や寮の食事の内容、自炊ができるか。
- 断食の時期— 勤務時間や休憩の扱いを調整できるか。
- 服装— 制服・作業着の決まり。安全や衛生の条件があればその理由。
面接のあと、内定から入国までに何をするか?
- 特定技能— 雇用契約を結びます。入管庁の資料によれば、P3MIを介する場合、契約書の原本は駐日インドネシア大使館に出して確認を受けます。在留資格認定証明書の申請前に、雇用契約の内容などの情報提供を、対面またはテレビ電話装置などで、本人が十分に理解できる言語で行います(平成31年法務省令第5号 第3条・第4条。運用要領別冊の呼び名は「事前ガイダンス」)。
- 技能実習・育成就労— 雇用契約書と雇用条件書の写しは、計画の認定申請の添付書類です(技能実習法施行規則 第8条第13号/育成就労法施行規則 第8条第8号)。育成就労制度運用要領は、説明した担当者の氏名、日時、状況を文書にして保管するよう求めています。
- 辞退への備え— 当校の見解です。次点の候補者を面接の時点で決めておきます。
HINATAの場合
当校(PT. LPK HINATA Indonesia)はチカランの日本語学校兼送り出し機関です。職業紹介は、グループのP3MIであるPT. HINATA HUMAN LINK(SIP3MI番号 11072400463380004)が担います。面接・現地視察・書類発行は無料です。オンライン面接にも対応しています。
費用は、特定技能が紹介フィーのみ(建設・介護・ドライバー15万円/人、その他10万円/人。内定時のみ、月額の管理費なし)、育成就労・技能実習が事前講習費1.5万円/人と監理費(送出管理費)5,000円/人・月です。保証金・違約金は徴収しません。本人負担の内訳と実費の金額は費用ページに公開しています。
候補者は全対面・全寮制で日本語を800時間(6か月)学びます。到達目標はA2標準、JLPT N4は必須です(教育ページ)。累計の送出者数は約300名(1年目102名、2年目108名、3年目は2026年1〜8月で約90名)です。日程のご相談は、Japan Desk(日本語対応・LINE/メールは24時間受付)がお問い合わせで受け付けます。
出典
- 出入国在留管理庁「インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(手続の解説)2(3)雇用契約の締結 ― PDF/同「インドネシアに関する情報」 ― ページ
- 移住労働者保護大臣規程 2026年第2号(配置の実施者による配置の手続。2026年2月25日制定)第27条・第31条 ― 移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF・インドネシア語)
- 駐日インドネシア共和国大使館「VERIFIKASI JOB ORDER SSW」(2026年10月7日閲覧) ― ページ(インドネシア語)
- 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成31年法務省令第5号)第3条第1項第1号イ・第4条第2号・第3号 ― e-Gov法令検索
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(運用要領別冊。令和7年4月1日一部改正)事前ガイダンスに関する項 ― 出入国在留管理庁(PDF)
- 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則 第8条第13号・第37条 ― e-Gov法令検索
- 外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則(令和7年9月30日 法務省・厚生労働省令第4号、2027年4月施行)第8条第8号・第13条第2項第6号ハ(4)・第56条 ― e-Gov法令検索/公布時の官報(PDF)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省 編「技能実習制度 運用要領」(令和8年4月)第4章第2節 第10「技能実習生の待遇に関するもの」、第5章第2節 第7「優良な監理団体に関するもの」、第5章第15節「名義貸しの禁止」 ― 出入国在留管理庁(PDF)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省 編「育成就労制度 運用要領」(令和8年8月)第4章第2節 第3(6)「育成就労の実施に関するもの」、第5章第15節「名義貸しの禁止」 ― 出入国在留管理庁(PDF)
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」 ― ページ
- 厚生労働省「地域外国人材受入れ・定着モデル事業」『事業者向け受入れ・定着マニュアル~外国人と一緒にはたらくために~』面接対策の項(10〜11ページ) ― 厚生労働省(PDF)
- 国際交流基金「JFT-Basicとは」5. 判定する日本語能力水準 ― ページ
※本記事は2026年10月7日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。
HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。
育成就労では、A1相当の試験に合格し入国前講習を受けて送り出すため、貴団体の入国後講習は最短110時間です(不合格・入国前講習なしの320時間と比べ、1人あたり約29万円の差)。当校の入国前講習は800時間です。
この記事で参照した公式情報
| 機関 | 資料・ページ |
|---|---|
| BP2MI(現 KP2MI) | 移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF・インドネシア語) |
| e-Gov 法令検索 | e-Gov法令検索 |
| e-Gov法令検索 | |
| e-Gov法令検索 | |
| インドネシア外務省 | ページ(インドネシア語) |
| 出入国在留管理庁・法務省 | |
| ページ | |
| 出入国在留管理庁(PDF) | |
| 公布時の官報(PDF) | |
| 出入国在留管理庁(PDF) | |
| 出入国在留管理庁(PDF) | |
| 厚生労働省 | ページ |
| 厚生労働省(PDF) | |
| 国際交流基金(JFT-Basic) | ページ |
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