ベトナムからインドネシアへ送り出し国を切り替える前に|技能実習・育成就労で確認すること

送り出し国の切り替え ベトナムとインドネシアの違い

公開 2026.11.05 ・ 読了目安 約11分 ・ 執筆 PT. LPK HINATA Indonesia(外国政府認定送出機関 OTIT No. IDN000507)


技能実習では、ベトナムにもインドネシアにも二国間の協力覚書があり、政府が認定した送り出し機関の一覧が公表されています。育成就労の一覧は、2026年10月7日時点でどちらも「暫定」です。切り替えで変わるのは、届出、契約、通訳と相談の体制、書類の言語です。

ベトナムからの受入れが中心だった監理団体・監理支援機関に向けて、インドネシアを加える前に確認することを整理します。扱うのは制度と手続の違いで、国籍による優劣ではありません。インドネシアの送り出し機関は送り出し機関一覧にまとめています。

ベトナムとインドネシアの技能実習生受入れを比較|送り出し国の切り替えで制度の何が違うのか?

ベトナムインドネシア
技能実習の
協力覚書(MOC)
2017年6月6日署名(両国の省の間の覚書)。協力の開始は2017年11月1日2019年6月25日署名(両国の政府の間の覚書)。2024年6月25日から3年間更新
送り出し機関を
認定するのは
労働・傷病兵・社会問題省(覚書署名時の名称)。連絡窓口は同省の海外労働局インドネシア政府。覚書上の権限のある当局は労働省
覚書上の
送出機関
海外への労働者送出しについて省の許可を持つ企業認可職業訓練機関、登録企業または政府機関(職業訓練機関はLPKとはを参照)
技能実習の
認定送出機関一覧
機構が公表。通し番号は450まで(ファイル名の日付は2026年9月28日)機構が公表。574機関(2026年10月20日版)
育成就労の一覧
(機構の表示)
暫定(掲載・更新日 2026年10月5日)。通し番号は445まで。二国間取決めの作成日は空欄暫定(同 2026年10月20日)。561機関。二国間取決めの作成日は空欄
覚書が定める
国別の書類
技能実習計画の認定申請で、海外労働局が発行した技能実習生候補者リストを提出(別添6)覚書の別添は認定基準と一覧の様式の2つ。申請書類を定める別添はない
費用と募集
(覚書の認定基準)
費用の算出基準を公表し、本人に説明する。募集や送出しへのブローカーの介入を許容しない(別添1)費用の算出基準を公表し、本人に説明する。基準を定めたもの以外の手数料を徴収しない(別添1)
特定技能での
本国側の手続
在留資格認定証明書の交付申請では、あらかじめ推薦者表の承認を受けて提出証明書の交付後、査証申請の前に本人がSISKOP2MIに登録。インドネシア側の手続を証明する書類を在留諸申請で出す必要はない
機構の
母国語相談
ベトナム語:月〜金、土インドネシア語:火、木、土

「機構」は外国人技能実習機構(OTIT)です。機関数は一覧の通し番号によります。認定基準の行は覚書の文言で、運用や金額の優劣を示すものではありません。特定技能の行は出入国在留管理庁の案内によります。

ベトナムとインドネシアの技能実習生・特定技能外国人は何人いるのか?

出入国在留管理庁の公表資料では、令和7年末の在留資格「技能実習」は全体で456,618人。うちベトナム国籍が189,756人、インドネシア国籍が124,967人です。特定技能1号は、令和8年6月末(速報値)でベトナム国籍163,154人、インドネシア国籍107,242人。令和7年12月末からの半年間の増加率は、ベトナム2.9%、インドネシア23.9%です。いずれも在留者数の統計で、国や人材の優劣を示すものではありません。

送り出し国を追加すると、監理団体の実務は何が変わるのか?

届出と契約

技能実習制度運用要領は、取次ぎを受ける外国の送出機関を追加・変更するときに変更の届出(技能実習法 第32条第3項)が必要だとしています。期限は変更の日から1か月以内です。添付書類は、送出機関の概要書と取次ぎ契約書の写しなど。費用の書類・誓約書・推薦状は、相手が外国政府認定送出機関なら提出不要です。新たな国から受け入れる場合は、申請者の概要書も付けます。手順は送り出し機関の変更をご覧ください。

契約では、送出機関が本人や親族などの金銭その他の財産を管理せず、違約金を定める契約などをしないことを確認し、その旨を契約書に記載します(技能実習法施行規則 第52条第5号)。

通訳と相談体制

同規則 第52条第14号は、技能実習生からの相談に適切に応じることを監理団体の業務の基準にしています。運用要領はこう説明します。

また、監理団体に、受け入れている技能実習生の国籍(国又は地域)に応じた相談応需体制を整備させることにより、実習実施者のみでは体制整備が困難な母国語での相談を可能とするものです。

運用要領は、通訳人の常勤配置が望まれるとしつつ、非常勤や外部委託も可能としています。実習実施者や送出機関の職員・関係者を通訳人にするのは望ましくない、とも書いています。当校の整理では、インドネシア語の通訳人を、送り出し機関とは別に確保しておくのがこの記載に沿った準備です。

入国後講習と書類の言語

入国後講習は、認定計画に従って実施します(技能実習法施行規則 第52条第7号)。運用要領は「法的保護に必要な情報」の科目を合計8時間とし、通訳を付けるときは通訳に要する時間を考慮するよう求めています。

機構などに出す資料が外国語なら、日本語の翻訳文を添付します。技能実習生に署名を求める日本語の書類には、本人が十分に理解できる言語を併記します(同規則 第68条)。雇用契約書及び雇用条件書、重要事項説明書などは、機構の「参考様式翻訳版」にインドネシア語版があります。

生活面の準備

ここは法令の要件ではなく、当校からの実務上の助言です。礼拝の時間と場所、食事で避けたいもの(ハラールへの希望)は、人によって違います。国籍で決めつけず、会社の条件を先に説明したうえで、内定後に本人の希望を聞いてください。そのうえで、勤務時間・寮・食事の条件を受入企業と確認します。

インドネシアからの受入れを検討中の組合・監理支援機関の方へ。校舎と授業、費用の内訳を現地でご確認いただけます。

現地視察(無料)について見る

育成就労(2027年4月施行)では、国ごとに何を確認するのか?

機構は、育成就労では原則として二国間取決めを作成した国からのみ受け入れるとしています。2026年10月7日時点で、機構の一覧は認定が4か国、暫定が12か国。ベトナムもインドネシアも「暫定」です。

協議中の国について、機構は、監理支援機関の許可の施行日前申請では、申請書の送出機関欄に暫定送出機関リストの機関を記載するよう案内しています。留意点も示しています。

なお、監理支援機関の許可は、二国間取決めを作成した国から正式に認定送出機関リストが提出された後になされることとなります。

暫定リストに載っていても認定送出機関リストに載らなかった機関と契約している場合や、二国間取決めが作成に至らなかった場合は、その機関を記載したままでは許可ができないとされています。送り出し国を加えるときは、その国の一覧の種別と、相手の機関の掲載をあらためて確認してください(暫定リストに載っていない機関)。

育成就労法施行規則 第45条第3号は、育成就労外国人が十分に理解できる言語で相談に対応するための措置を、監理支援機関の許可の基準にしています。育成就労制度運用要領は、許可申請の確認書類に「通訳人の確保が確認できる書類」を挙げ、契約書に通訳する言語を明記するよう求めています。

本人が送出機関に支払う費用には上限があります。同規則 第21条の基準は「育成就労計画に記載された報酬の月額に二を乗じて得た額を超えないこと」で、国を問いません(本人負担の上限)。参考に、過去の調査を挙げます。出入国在留管理庁が令和3年12月〜令和4年4月に技能実習生へ聴き取った調査(有効回答2,184名)では、来日前に送出機関へ支払った費用の平均は、ベトナム国籍65万6,014円(回答632名)、インドネシア国籍23万1,412円(同242名)でした。本人の回答を円に換算した平均です。現在の金額、個々の機関の金額、機関や人材の質を示すものではなく、育成就労の費用でもありません。契約の前に、相手の機関の内訳を書面で確認してください。

インドネシアから初めて受け入れるときの手順は?

法令の定めではなく、当校がお勧めする実務上の順序です。

  1. 一覧で確認する— 機構の技能実習の一覧と育成就労の暫定リストに、同じ名称と送出機関番号で載っているかを見る。
  2. 現地で確認する— 校舎・授業・寮と、費用の内訳を見る(7つのチェックポイント)。
  3. 契約する— 取次ぎの契約書に、財産の管理と違約金の確認、費用の算出基準、途中帰国のときの扱いを入れる。
  4. 届け出る— 変更の届出を1か月以内に行う。インドネシア語の通訳人と相談体制を整える。
  5. 最初の面接をする— 職種・人数・時期を伝えて候補者の紹介を受け、仕事と生活の条件を本人に直接説明する。

HINATAの場合

当校(PT. LPK HINATA Indonesia)は、インドネシア・チカランの日本語学校兼送り出し機関です。送出機関番号は IDN000507。機構の技能実習の認定送出機関一覧(2026年10月20日版)と、育成就労の暫定送出機関リスト(2026年10月20日版)に掲載されています。

日本語は全対面・全寮制で800時間(6か月)、到達目標はA2標準、JLPT N4は必須です。設立から累計約300名を送り出し、失踪は0件です。

育成就労・技能実習で日本側にお願いする費用は、事前講習費 1.5万円/人と監理費(送出管理費)5,000円/人・月です。面接・現地視察・書類発行・候補者紹介は無料です。本人負担の内訳と実費の金額は費用ページに公開しています。ご相談は、Japan Desk(日本語対応・LINE/メールは24時間受付)がお問い合わせで受け付けます。

出典

  • 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(技能実習)」(2026年10月7日閲覧。インドネシアは10月15日に再確認。機関数は認定送出機関リストのPDFの通し番号) ― ページ/同「送出国政府窓口と二国間取決め」 ― ページ
  • 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」(2026年10月7日閲覧。インドネシアは10月15日に再確認。送出機関リストの種別、掲載・更新日、二国間取決め作成日、施行日前申請における留意事項) ― ページ
  • 厚生労働省「ベトナムとの協力覚書」(2017年6月6日署名)本文2.・5.・7.、別添1・別添6 ― ページ/日本語仮訳(PDF)
  • 厚生労働省「インドネシアとの協力覚書」(2019年6月25日署名)本文1.・3.・4.・7.、別添1・別添2 ― ページ/日本語仮訳(PDF)
  • 厚生労働省「育成就労に関する二国間取決め(協力覚書)」 ― ページ
  • 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律 第23条・第32条 ― e-Gov法令検索
  • 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則 第52条・第68条 ― e-Gov法令検索
  • 出入国在留管理庁・厚生労働省 編「技能実習制度 運用要領」(令和8年4月1日更新)第4章(提出書類等の言語、入国後講習、待遇の説明)・第5章(相談体制の整備等、外国の送出機関、変更の届出) ― 第4章(PDF)/第5章(PDF)
  • 外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律施行規則(令和7年9月30日 法務省・厚生労働省令第4号、2027年4月施行)第21条・第45条 ― e-Gov法令検索/公布時の官報(PDF)
  • 出入国在留管理庁・厚生労働省 編「育成就労制度 運用要領」(令和8年8月)第5章 相談応需体制の整備 ― 出入国在留管理庁(PDF)
  • 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」第2表 ― ページ/公表資料(PDF)
  • 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(令和8年9月、速報値) ― PDF
  • 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(ベトナムの推薦者表、インドネシアのSISKOP2MI) ― ページ/同「インドネシアに関する情報」 ― ページ
  • 出入国在留管理庁「技能実習生の支払い費用に関する実態調査の結果について」(技能実習生への聴取。実施期間:令和3年12月10日〜令和4年4月末、有効回答2,184名)表1 ― 出入国在留管理庁(PDF)
  • 外国人技能実習機構「参考様式翻訳版」 ― ページ/同「技能実習生向け相談業務の実施」(母国語相談の実施日時。2026年10月7日閲覧) ― PDF

※本記事は2026年10月7日時点(送出機関リストは2026年10月26日時点)で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。

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HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。

育成就労では、A1相当の試験に合格し入国前講習を受けて送り出すため、貴団体の入国後講習は最短110時間です(不合格・入国前講習なしの320時間と比べ、1人あたり約29万円の差)。当校の入国前講習は800時間です。

この記事で参照した公式情報

機関資料・ページ
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出入国在留管理庁・法務省第4章(PDF)
第5章(PDF)
公布時の官報(PDF)
出入国在留管理庁(PDF)
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公表資料(PDF)
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出入国在留管理庁(PDF)
厚生労働省ページ
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この記事を書いた人

PT. LPK HINATA Indonesia 編集部(インドネシア・チカラン)。外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)、P3MI(SIP3MI No. 11072400463380004)として、日本語800時間・全寮制の教育と、技能実習・育成就労・特定技能での送り出しを行っています。記事は法令と公的資料を一次資料で確認して書き、制度の変更があれば更新します。

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