特定技能・育成就労の「物流倉庫」分野はいつから?|対象の業務、試験、受入れ企業の要件

倉庫の高い棚に並ぶパレットと段ボール


物流倉庫分野は、2026年1月23日の閣議決定で特定技能・育成就労の対象に加わりました。特定技能1号は省令・告示・運用要領がそろいましたが、試験の開始時期と協議会の加入受付が未定で、2026年10月9日時点で受入れ開始日は公表されていません。育成就労は2027年4月1日に始まります。

物流倉庫で外国人材を受け入れるには、いつ、何が必要なのか。分野別運用方針(別紙12)、国土交通省のページ、運用要領別冊、上乗せ基準告示を2026年10月9日に確認し、決まっていることと未定のことを分けて整理します。インドネシアの送り出し機関は送り出し機関一覧で探せます。

2026年10月9日時点特定技能1号育成就労
制度上の開始分野を定める省令に追加(2026年4月1日施行)制度の開始は2027年4月1日
上乗せ基準告示第787号(2026年6月26日公布・同日から適用)第788号(同日公布・2027年4月1日から適用)
運用要領別冊2026年9月18日公表2026年8月28日公表
技能の試験開始時期は未定初級は2027年4月以降に開始予定
分野別協議会調整中(加入受付の開始時期は未定)同左
受入れ開始日未定(公表されていない)2027年4月1日以降

特定技能・育成就労の物流倉庫分野はいつから受け入れられるのか?

特定技能1号:制度はそろったが、試験と協議会が未定

特定技能の分野を定める省令は、令和8年法務省令第22号で第12号に「物流倉庫分野」を加え、2026年4月1日に施行されました。上乗せ基準告示(令和8年国土交通省告示第787号)は6月26日に公布され、附則で公布の日から適用です。運用要領別冊は9月18日に公表されました。

一方、国土交通省のページ(2026年9月時点の表記)は、特定技能1号評価試験について「試験開始時期については現在調整中であり未定となります」とし、分野別協議会も設置に向けて調整中で、加入受付の開始時期は決定次第知らせるとしています。運用要領別冊は、受入れ機関が在留諸申請の前に協議会に加入することを求めています。技能の試験が免除される技能実習2号もありません。

このため、試験の実施と協議会の加入受付が始まるまでは、申請の要件をそろえられません(当社の整理)。

育成就労:2027年4月1日から

育成就労制度は2027年4月1日に始まり、告示第788号も同日から適用されます。育成就労評価試験(初級)は1年経過時までに合格が求められる試験で、開始は制度開始以降の予定です。

ただし、育成就労実施者は計画認定の申請前に、監理支援機関はあらかじめ、分野別協議会に加入している必要があります。外国人技能実習機構は計画認定の施行日前申請を2026年9月1日から受け付けていますが、協議会への加入を証明する書類が要ります。

どんな業務をさせられるのか?

業務区分は「物流倉庫」の1つで、特定技能と育成就労で同じです。分野別運用方針は業務を次のように定めています。

物流倉庫において、倉庫内で行われる貨物の入出庫、保管その他の倉庫内各種作業を実施する業務

国土交通省は主な業務として、入出庫貨物の受渡し・検品、貨物の移動、保管庫への格納、ピッキング、流通加工等を挙げています。流通加工は小分け再包装、タグ取付け、ラベル貼り、セット組みなどで、商品の機能を完成させる加工は製造工程として含まれません。事務所への連絡や清掃などの関連業務は付随的に行えますが、関連業務だけに従事させることはできません。

  • 食品— 包装されていない食品に直接触れる業務はできない。
  • トラック事業者の倉庫作業— 運賃とは別に作業料金を受け取る作業に限る。運送に伴う荷役として運賃に含まれる作業は「倉庫作業」に当たらない。
  • 育成就労の段階— 育成就労計画審査基準では、1年目は「限定された顧客荷物」の保管・荷役と棚卸し、2・3年目は顧客荷物を限定しない作業に、入庫検品と出荷荷物の引き渡しが加わる。

トラックの運転は別の分野

トラックの運転は、自動車運送業分野の業務区分「トラック運転者」です。入管庁の一覧は自動車運送業分野に「育成就労産業分野の設定はありません」と注記しており、こちらは特定技能のみです。

物流倉庫分野の受入れを検討中なら、インドネシア側の手続と費用を先にご確認ください。

費用表・会社案内を請求する

外国人に求められる技能と日本語の水準は?

時点技能日本語(「日本語教育の参照枠」)
特定技能1号物流倉庫分野特定技能1号評価試験A2.2相当以上(JFT-Basic A2.2相当以上またはJLPT N4以上)
育成就労の就労開始まで—A1相当以上(JFT-Basic A1相当以上またはJLPT N5以上)か、相当する日本語講習の受講
育成就労1年経過時まで物流倉庫分野育成就労評価試験(初級)A1相当以上
本人意向の転籍時同上(初級)A2.1相当以上(JFT-Basic A2.1相当以上またはJLPT N4以上)
育成就労の終了まで物流倉庫分野特定技能1号評価試験A2.2相当以上

特定技能の運用要領別冊によれば、特定技能1号評価試験は、保管・荷役、流通加工、安全衛生の実践的な知識と、機器の取扱いを理解したうえでの作業場面での判断を確認するものです。

育成就労評価試験(専門級)の設定はなく、特定技能2号もありません。育成就労の転籍制限期間は1年です。

受入れ企業・登録支援機関・監理支援機関に求められることは?

上乗せ基準告示と運用要領別冊の主な要件です。

  1. 事業者の類型— ①倉庫業者、②倉庫業者の委託を受けてその営業倉庫で倉庫作業を行う者、③一般・特定貨物自動車運送事業者のいずれか。特定技能で②が受け入れる場合は、雇用の継続について委託元の倉庫業者と共同で協定書を作る。
  2. 倉庫管理システム— 入庫・在庫・出庫管理の機能をもつ情報システム(いわゆるWMS)を利活用し、これと連携する機器・システムの利活用状況を、協議会加入から1年以内に報告する。システムは自社所有でなくてもよい(国土交通省のQ&A)。
  3. 分野別協議会— 受入れ機関が加入する。登録支援機関は支援計画の全部の委託を受ける場合、監理支援機関は物流倉庫分野を扱う場合に加入する。
  4. 雇用形態— 直接雇用に限る。労働者派遣はできない。
  5. その他— 本人の求めに応じた実務経験証明書の交付、国土交通省の調査・指導への協力。

物流倉庫分野を扱う監理支援機関の許可申請は、告示と運用要領を確認してから行うよう機構が案内しています(監理支援機関の許可申請)。

受入れ見込数は何人か?

分野別運用方針は、物流倉庫分野全体で令和8年度から令和10年度までの3年間に1万8,300人としています。内訳は、特定技能1号が令和8年度から3年間で1万1,400人、育成就労が令和9年度から2年間で6,900人で、いずれも令和10年度末までの受入れの上限として運用されます。

技能実習との関係は?

技能実習法施行規則の別表第二(移行対象職種・作業)に、「倉庫」を名に含む職種・作業はありません。育成就労の運用要領別冊は、物流倉庫分野について「技能実習の目標となる試験と同一又は相当する育成就労産業分野に係る分野別運用方針に定められた試験はありません」としています。特定技能の運用要領別冊の別表も、試験の免除となる技能実習2号の欄を「ー」としています。

一方、技能実習2号を良好に修了した人は、職種・作業にかかわらず、特定技能1号(物流倉庫)の日本語の試験が当面の間免除されます。技能の試験の合格は必要です。

インドネシアから受け入れる場合に何を確認するか?

育成就労:送り出し機関のリスト

育成就労では、原則として二国間取決め(MOC)を作成した国からのみ、送出機関の取次ぎを受けた外国人を受け入れます。機構の一覧では、インドネシアは2026年9月30日更新の「暫定」リストで、二国間取決めの作成日は「-」です。機構は、監理支援機関の許可は相手国から正式に認定送出機関リストが提出された後になるとしています。相手先が暫定リスト(574機関)に載っているかは送り出し機関一覧で確認できます。

特定技能:インドネシア側の手続

入管庁のページによれば、インドネシアから特定技能で受け入れる際のP3MIの利用は任意で、インドネシア側の手続を行ったことを証明する書類を在留諸申請で出す必要はありません。P3MIを利用する場合の手続は求人票(Job Order)の大使館検証、候補者側の手続はSISKOP2MI登録ガイドで解説しています。インドネシアとの特定技能に関する協力覚書(MOC)の継続期間は、2026年6月25日から6か月間更新されています。物流倉庫分野の特定技能1号評価試験の実施国は、未定(公表されていない)です。

HINATAの場合

PT. LPK HINATA Indonesiaが教育と送出を担い、機構の技能実習の認定送出機関一覧(2026年9月29日版)と育成就労の暫定送出機関リスト(2026年9月30日版)に掲載されています(送出機関番号 IDN000507)。特定技能の職業紹介は、グループのPT. HINATA HUMAN LINK(P3MI)が行います。物流倉庫分野の試験の内容や実施場所が公表され次第、候補者の準備に反映します。

日本語は全対面・全寮制で800時間(5〜6か月)、到達目標はA2標準で、JLPT N4は必須です(教育ページ)。

費用は、特定技能が紹介フィーのみ(建設・介護・ドライバー15万円/人、その他10万円/人。内定時のみ、月額の管理費なし)、育成就労が事前講習費1.5万円/人と監理費(送出管理費)5,000円/人・月です。面接・現地視察・書類発行・候補者紹介は無料です。本人負担の内訳と実費の金額は費用ページに公開しています。

出典

  • 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針」(別紙一覧。別紙10 自動車運送業の注記を含む) ― ページ
  • 「物流倉庫分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」(別紙12、2026年1月23日閣議決定) ― PDF/「分野別運用方針の主要な記載事項」 ― PDF
  • 国土交通省「物流倉庫分野における特定技能外国人・育成就労外国人の受入れについて」(2026年10月9日閲覧。試験・協議会の記載は2026年9月時点の表記) ― ページ/物流倉庫分野の上乗せ基準(PDF)
  • 令和8年国土交通省告示第787号(特定技能・2026年6月26日)第1条〜第3条・附則 ― PDF/令和8年国土交通省告示第788号(育成就労・同日)第1条〜第3条・附則 ― PDF
  • 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領―物流倉庫分野の基準について―」(2026年9月18日公表) ― 本文(PDF)/別表(PDF)
  • 法務省・厚生労働省・国土交通省「特定の分野に係る育成就労制度運用要領―物流倉庫分野の基準について―」(2026年8月28日公表) ― 本文(PDF)/別表(PDF)/育成就労計画審査基準(PDF)
  • 出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(平成31年法務省令第6号。令和8年法務省令第22号による改正後、2026年4月1日施行) ― e-Gov法令検索
  • 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則 別表第二 ― e-Gov法令検索
  • 出入国在留管理庁「特定技能制度」(更新情報) ― ページ/同「インドネシアに関する情報」 ― ページ
  • 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」 ― ページ/「育成就労計画認定施行日前申請」 ― ページ/「監理支援機関の許可基準に関し、育成就労産業分野ごとに定める上乗せ基準がある分野」 ― ページ

※本記事は2026年10月9日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。

FOR PARTNERS
監理支援機関・登録支援機関・受入企業の皆さまへ

HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。

入国前講習800時間の実施により、貴団体の入国後講習は320時間 → 110時間になります(1人あたり約29万円の差)。