特定技能でインドネシアの送り出し機関は必要か|P3MIを使う場合・使わない場合の手続きの違い

送り出し機関は必要か 特定技能・インドネシアの場合

公開 2026.10.23 ・ 読了目安 約11分 ・ 執筆 PT. LPK HINATA Indonesia(外国政府認定送出機関 OTIT No. IDN000507)


特定技能でインドネシアから受け入れる場合、送り出し機関(P3MI)の利用は任意です(出入国在留管理庁の案内)。使う場合は、日本側の職業紹介事業者がP3MIと提携し、求人票などを駐日インドネシア大使館で検証してもらいます。使わない場合は、受入機関が自分で求人し、本人が自分で登録などの手続を進めます。

出入国在留管理庁は、インドネシアから新たに受け入れる方法を「P3MIを利用するパターン」と「直接採用パターン」の2つに分けています。2つの違いを、同庁の資料とインドネシアの現行規程で整理します。P3MIの説明はP3MIとは?、日本側の許可の話は登録支援機関と送り出し機関の提携をご覧ください。

特定技能でインドネシアの送り出し機関は必要か?P3MIを使う場合・使わない場合の比較

P3MIを使う場合P3MIを使わない場合(直接採用)
候補者の探し方P3MIと日本側の職業紹介事業者を介して紹介を受ける。面接は必ず受入機関受入機関が自分で求人し、本人は雇用主から直接仕事を得る
大使館での検証日本側の職業紹介事業者が、求人票・提携契約書・雇用契約書の案を提出する本人が登録した書類が在外公館に送られ、検証を受ける(規程2026年第11号)
出国前の手続P3MIが書類の充足を支援し、責任を負う(規程2026年第2号)本人が自分で登録し、書類をそろえ、出発を報告する
日本側に要るもの職業紹介事業の許可を持つ事業者と、その事業者とP3MIの提携契約求人・求職システム(IPKOL)への登録。入管庁の資料によれば、インドネシア側が強く希望
つまずきやすい点
(当校の見方)
大使館の検証の日数を見込まずに募集を始める学校や仲介者が関わる場合の扱いを確認しないまま進める

必要ではありません。出入国在留管理庁の「インドネシアに関する情報」は、こう書いています。

インドネシアについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、インドネシアの職業紹介事業者(P3MI)の利用は任意とのことです。

同じページは、P3MIは技能実習の「認定送出機関」とは異なると注記しています。インドネシア側の手続を証明する書類を、日本の在留諸申請で提出する必要もありません。

2019年6月25日に署名された特定技能の協力覚書(MOC)にも、P3MIや送り出し機関を通すことを求める条項はありません。インドネシア側の約束は、IPKOLでの求人の確認と公表、候補者の政府システムへの記録、出国前説明会の実施などです。

P3MIを使う場合、手続はどう進むのか?

入管庁の「手続の解説」による流れは次のとおりです。

  1. 受入機関が日本側の職業紹介事業者と提携し、その事業者がP3MIと職業紹介の提携契約を結ぶ。
  2. その事業者が、求人票(Job Order)、提携契約書、雇用契約書(暫定版)などを駐日インドネシア大使館に提出し、確認を受ける。
  3. P3MIと日本側の職業紹介事業者を介して紹介を受けた求職者を、受入機関が面接し、雇用契約を結ぶ。契約書の原本も大使館の確認を受ける。
  4. 在留資格認定証明書の交付申請からは、直接採用と共通。交付後、本人がSISKOP2MIに登録してID番号を取得し、査証を申請する。査証を登録して出国前の手続を終えると、移住労働者証(同資料の表記はE-PMI)が発行される。

面接は必ず受入機関が行います。同資料は、P3MIは同席できるが、独自の基準で申請人をどの受入機関と面接させるかを選考したり、受入機関に申請人の情報を提供したりはできない、としています。

大使館の検証は、移住労働者保護大臣規程2026年第4号 第22条により、求人票が7営業日以内、提携契約書と同時なら14営業日以内です(求人票の大使館検証)。

規程2026年第2号では、P3MIは募集許可(SIP2MI)を得て(第25条)、選考を行い(第31条)、健康診断・旅券・就労査証などの書類の充足を支援し、責任を負います(第32条)。出国前オリエンテーションへの登録(第39条)と、出発の支援・報告(第41条)もP3MIが行います。

登録支援機関が候補者を受入企業に紹介するなら、職業紹介事業の許可などが要ります。厚生労働省の「特定技能外国人材の受入れに関する留意点」が、登録支援機関でも別に必要だとしています(有料の場合は職業安定法 第30条第1項)。大使館の案内ページも、有料職業紹介事業許可証を提出書類に挙げています。

P3MIを使わない場合(直接採用)、手続はどう進むのか?

入管庁の「手続の解説」は、受入機関がIPKOLに登録して求人することを「インドネシア側は強く希望しています」とし、結んだ雇用契約書はIPKOLに電子データで登録する必要があるとしています。

インドネシアでは、2026年9月23日に移住労働者保護大臣規程2026年第11号が制定され、9月28日に公布・施行されています。P3MIなどの配置の実施者を通さずに海外で働く人を「個人の移住労働者(PMI Perseorangan)」と呼ぶ規程です(第1条第4号)。入管庁の資料にこの規程への言及はなく、特定技能の直接採用がこれにあたるというのは、定義からの当校の整理です。主な内容は次のとおりです。

  • 条件— 18歳以上、心身の健康、社会保障への加入など(第2条)。雇用主が法人の場合は、その雇用主から直接仕事を得ていること、国際標準職業分類にもとづく職位レベル1〜8の仕事であることなど(第3条第2項)。
  • 登録— 本人がSisko P2MIにアカウントを作り、雇用契約書、就労査証、旅券、健康診断の結果などをアップロードする(第7条)。
  • 検証— 省の出先機関(UPT)の担当官が書類を確認し、在外公館が検証する(第7条第8項・第8条)。
  • 出国前— 出国前オリエンテーションを受け、生体情報の記録・照合を終えるとE-KPMIが発行される(第9条・第11条)。出発は本人が報告する(第12条)。

注意したいのは第5条第1項です。

Pekerja Migran Indonesia Perseorangan dalam memperoleh pekerjaan atau dalam proses penempatan tidak difasilitasi oleh orang perseorangan atau korporasi.

(当校訳:個人の移住労働者は、仕事を得るとき、または配置の過程で、個人または企業・団体による支援を受けない)

同条第2項は、個人の移住労働者を支援したP3MIを行政処分の対象としています。本人は、労働上のリスクに自分で責任を負うこと、支援を受けていないことを誓約書にして、登録のときに出します(第7条第3項)。

日本側の職業紹介事業者や登録支援機関の関与がどう扱われるかは、条文に書かれていません。規程にIPKOLの語もありません。ここからは当校の読み方で、法令の定めではありません。第5条の文言からすると、現地の学校や会社が候補者を集めて紹介する形がこの手続に当てはまるかは、事前の確認が要ると考えています。直接採用の前に、現行の手続を駐日インドネシア大使館に確認してください。

P3MIを使うか直接採用かで迷ったら、Japan Desk(日本語対応)にご相談ください。

受入れの進め方を相談する

技能実習・育成就労では、送り出し機関は必要なのか?

特定技能とは扱いが違います。技能実習(団体監理型)では、監理団体が外国の送出機関から求職の申込みの取次ぎを受ける場合、その機関との契約が許可の基準です(技能実習法 第25条第1項第6号)。日本とインドネシアの協力覚書(2019年6月25日署名)で、日本側は認定送出機関から送り出される技能実習生のみを受け入れるとしています。

育成就労(2027年4月施行)について、外国人技能実習機構は、監理支援機関の許可申請の留意事項として、送出機関は育成就労法施行規則 第20条の要件を満たす機関である必要があると案内しています。インドネシアについて機構が公表しているのは、暫定送出機関リスト(2026年10月9日更新)です。一覧はインドネシアの送り出し機関一覧、許可の種類の違いはLPKとは?をご覧ください。

P3MIを使うかどうか、どう決めるか?

ここは当校の考えです。判断の軸は、だれが候補者を見つけ、だれが出国前の手続を進めるかです。

  • P3MIが役に立つ場面— 現地での募集と選考から任せたい。日本語の教育と組み合わせたい。出国前の書類と手続を本人任せにしたくない。
  • 直接採用が合う場面— 受入企業が本人とすでに直接つながっていて、本人が自分で手続を進められる。

P3MIを使うなら、次の3つを確認します。

  1. 公的な一覧に載っているか— 会社名とSIP3MI番号を照合する(P3MI一覧)。
  2. 日本側の職業紹介事業者はだれか— P3MIと提携し、大使館に書類を出すのはその事業者。
  3. 本人から受け取る費用— 内訳を書面で出せるか。

HINATAの場合

HINATAは2社体制です。教育と送出はPT. LPK HINATA Indonesia、職業紹介はPT. HINATA HUMAN LINK(P3MI、SIP3MI番号 11072400463380004)が担います。

特定技能で日本側にお願いする費用は紹介フィーのみです。建設・介護・ドライバーは15万円/人、その他は10万円/人で、内定時のみ。月額の管理費はありません。面接・現地視察・書類発行は無料です。本人から受け取るのはサービス料と立替実費だけで、内訳と実費の金額は費用ページに公開しています。

日本語は全対面・全寮制で800時間。設立からの2年間で210名を送り出し、日本入国後の退職・転職は0名、途中帰国・失踪は0件です。ご相談はお問い合わせへどうぞ(平日9:30〜18:30・日本時間)。

出典

  • 出入国在留管理庁「インドネシアに関する情報」 ― ページ
  • 出入国在留管理庁「インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(手続の解説) ― PDF/同「インドネシア特定技能外国人に係る手続の流れについて」(フローチャート) ― PDF
  • 「日本国政府とインドネシア国政府との間の在留資格「特定技能」を有する外国人に係る制度の適正な運用のための基本的枠組みに関する協力覚書」(2019年6月25日署名)7.・8. ― 出入国在留管理庁(和文PDF)
  • 移住労働者保護大臣規程 2026年第11号(個人の移住労働者。2026年9月23日制定、9月28日公布)第1条第4号・第2条・第3条・第5条・第7条・第8条・第9条・第11条・第12条・第21条 ― 移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF)/書誌情報
  • 移住労働者保護大臣規程 2026年第2号(配置の実施者による配置の手続。2026年2月25日制定)第25条・第31条・第32条・第39条・第41条 ― 移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF)
  • 移住労働者保護大臣規程 2026年第4号(提携契約書、求人票の検証など。2026年4月22日制定)第22条 ― 移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF)
  • 駐日インドネシア共和国大使館「VERIFIKASI JOB ORDER SSW」(特定技能の求人票の検証。2026年10月7日閲覧) ― ページ(インドネシア語)
  • 厚生労働省・都道府県労働局「特定技能外国人材の受入れに関する留意点」 ― PDF
  • 職業安定法 第30条 ― e-Gov法令検索
  • 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律 第25条 ― e-Gov法令検索
  • 厚生労働省「日本国政府とインドネシア共和国政府との間の技能実習制度に関する協力覚書」(2019年6月25日署名) ― 日本語仮訳(PDF)
  • 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(技能実習)」 ― ページ/同「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」 ― ページ

※本記事は2026年10月7日時点(送出機関リストは2026年10月15日時点)で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。

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監理支援機関・登録支援機関・受入企業の皆さまへ

HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。

育成就労では、A1相当の試験に合格し入国前講習を受けて送り出すため、貴団体の入国後講習は最短110時間です(不合格・入国前講習なしの320時間と比べ、1人あたり約29万円の差)。当校の入国前講習は800時間です。

この記事で参照した公式情報

機関資料・ページ
BP2MI(現 KP2MI)移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF)
書誌情報
移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF)
移住労働者保護省 法令情報サイト(PDF)
e-Gov 法令検索e-Gov法令検索
e-Gov法令検索
インドネシア外務省ページ(インドネシア語)
出入国在留管理庁・法務省ページ
PDF
PDF
出入国在留管理庁(和文PDF)
厚生労働省PDF
日本語仮訳(PDF)
外国人技能実習機構(OTIT)ページ
ページ

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この記事を書いた人

PT. LPK HINATA Indonesia 編集部(インドネシア・チカラン)。外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)、P3MI(SIP3MI No. 11072400463380004)として、日本語800時間・全寮制の教育と、技能実習・育成就労・特定技能での送り出しを行っています。記事は法令と公的資料を一次資料で確認して書き、制度の変更があれば更新します。

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