インドネシア人の人材紹介を有料で行えるのは、職業安定法第30条第1項の許可を受けた事業者だけです。
人材紹介会社・登録支援機関・インドネシアの送り出し機関(P3MI)は、どれも「紹介してくれる相手」に見えますが、立っている許可の根拠が違います。一次資料だけで、頼める相手と紹介料の流れを整理します。前提は送り出し機関とはとP3MIとはにまとめています。インドネシア人材の特徴や受入れの流れはインドネシア人材の採用ガイドにあります。
あなたの状況別・どこに頼むか
| あなたの状況 | まず当たる相手 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 特定技能で初めて海外から採る | 職業紹介事業の許可を持つ事業者 | 許可番号と、相手先国にインドネシアの届出があるか |
| すでに登録支援機関と契約している | その登録支援機関(まず確認) | 登録のほかに職業紹介事業の許可があるか |
| 紹介料の内訳を知りたい | 手数料の根拠を示せる事業者 | 上限制か届出制か、本人負担がないか |
| 現地の教育まで見て決めたい | 送り出し機関(P3MI・LPK) | SIP3MIの有無と、日本側の紹介はだれが行うか |
インドネシア人の人材紹介を頼める相手は3種類|許可の根拠が違う
職業紹介とは「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあつせんすることをいう」と定められています(職業安定法第4条第1項)。有料で行うには許可が必要です。
有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
——職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十条第一項
相談先を許可で整理します。
| 相手 | 許可・登録の根拠 | 職業紹介(あっせん) | 紹介料を払う相手 |
|---|---|---|---|
| 人材紹介会社(有料職業紹介事業者) | 職業安定法第30条第1項の許可 | できる | 求人者(受入企業) |
| 登録支援機関 | 1号特定技能外国人支援のための登録 | 登録だけではできない | 支援委託料は受入企業 |
| 監理団体(2027年4月の育成就労制度の施行後は監理支援機関) | 技能実習法の許可 | 技能実習の雇用契約のあっせんに限られる | 監理費は受入企業 |
| 送り出し機関(P3MI) | インドネシア中央政府のSIP3MI | 日本側は許可を持つ事業者か、その取次機関として | 契約の形により異なる |
※1社が複数を兼ねていることがあります。会社名ではなく、許可・登録ごとに番号で確認します。
登録支援機関に人材紹介を頼めるか|登録だけではできない
厚生労働省「適正な職業紹介事業の許可の取得について」は、次のように書いています。
ただし、登録支援機関の認定を受けていても、職業紹介を行う場合には、別途職業紹介事業の許可などを取得する必要があります。
——厚生労働省「適正な職業紹介事業の許可の取得について」
同じ資料は、監理団体についても許可で行えるのは技能実習に関する雇用契約の成立のあっせんに限られ、特定技能の職業紹介には別の許可が必要だとしています。転職先のあっせんにも許可などが必要です。
国外の候補者の場合、許可があるだけでは足りません。相手先国として届け出た国以外へは職業紹介を行えないため、「相手先国にインドネシアが入っているか」を確認します。許可の申請時には、相手先国の法令や、その国で活動が認められていることを示す書類が求められます。
紹介料はだれに払うのか|本人からは原則として徴収できない
手数料には2つの仕組みがあります(職業安定法第32条の3、同法施行規則第20条第1項及び別表)。
| 仕組み | 金額の決め方 | だれから受け取るか |
|---|---|---|
| 上限制手数料 | 求人受付手数料710円(免税事業者660円)+支払われた賃金額の11.0%(免税事業者10.3%)相当額以内 | 求人者(受入企業) |
| 届出制手数料 | 届け出た手数料表のとおり | 原則として求人者(受入企業) |
※同一の者から両方を受け取ることはできません。期間の定めのない雇用で6か月を超えた場合は、別表に別の率(14.8%/免税13.9%)の定めがあります。
どちらでも紹介料を払うのは求人者、つまり受入企業です。本人からの徴収は原則として禁止されています。
有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。
——職業安定法第三十二条の三第二項(本文)
例外として求職者手数料を取れるのは芸能家とモデル、および年収700万円を超える経営管理者・科学技術者・熟練技能者に限られ、特定技能・育成就労・技能実習の現場人材は当たりません。「本人から紹介料を取っている」という説明が出てきたら、内訳を確認してください。
入管の側にも基準があります。1号特定技能外国人支援に要する費用を直接または間接に本人に負担させないこととしていること(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令〔平成31年法務省令第5号〕第2条第1項第8号)、外国人が財産を管理されていることや違約金の契約があることを知って雇用契約を締結していないこと(同条第1項第6号)です。費用の全体像は特定技能の海外採用にかかる費用にあります。
紹介料の見積もりを、内訳の分かる形でお出しします
求人票(または条件のメモ)をお送りいただければ、紹介料・本人負担・航空券の持ち方まで内訳で書いてお返しします。面接・現地視察・候補者紹介は無料です。
紹介料の二重取りを避けるための5つの確認点
両国に事業者が入ると、同じ1人の採用に二重の費用が乗っていないか見えにくくなります。次の5つを契約前に文書で確認します。
- 日本側で職業紹介を行うのはどの事業者か。許可番号と、相手先国の届出。
- インドネシア側で送り出すのはどの法人か。SIP3MIの番号と、認定送出機関ならその番号(P3MI一覧/送り出し機関一覧)。
- 1人あたりの支払総額と内訳。「一式」ではなく、紹介料・事前講習費・監理費・航空券・現地実費に分けて。
- 本人が負担する金額。紹介料を本人からも取っていないか、保証金や違約金の契約がないか。
- 支払いの時期と返金の条件。内定時か入国時か、入国前の辞退でどこまで戻るか。
提携の手順は送り出し機関と提携する方法、求人票の検証はJob Orderの検証手順にあります。
インドネシアの送り出し機関(P3MI)と直接やり取りする場合
インドネシア側で人材を送り出す会社は、中央政府からSIP3MIという許可を受けます。現行の手続規程はKP2MI大臣規程2025年第1号で、第1条第8号はSIP3MIを「P3MIとなるインドネシアの法人に対して中央政府が与える書面による許可」と定義しています。許可はOSSを通じて交付され(第11条第1項)、終了するのはP3MI自身の申請による場合と、行政制裁として取り消される場合だけです(第17条)。案件ごとの募集許可(SIP2MI)はこれとは別の手続です。会社の許可があっても、その案件で募集できるとは限りません。
日本側から見た注意点は取次機関の要件です。厚生労働省の資料は、相手先国で活動を認められていない取次機関、保証金を徴収したり財産を管理したりする取次機関、旅費を貸し付ける取次機関、違約金など不当に財産の移転を予定する契約を結ぶ取次機関は使えないとしています。すでにそうした扱いを受けている求職者の紹介もできません。この4点は相手の資料で先に確認します。
P3MIを使うかどうかは特定技能で送り出し機関は必要か、現地で見る点は視察のチェックリストにあります。
HINATAの場合
当校(PT. LPK HINATA Indonesia)は外国政府認定送出機関 OTIT No. IDN000507、育成就労の暫定リストはNo.380です。インドネシア側の募集・送り出しはグループのPT. HINATA HUMAN LINKが担い、SIP3MI No. 11072400463380004 を保有しています。費用は費用のページに内訳で出しています。
- 特定技能:紹介フィーのみ。建設・介護・ドライバー15万円/人、その他10万円/人。内定時のみ、月額の管理費なし
- 育成就労・技能実習:事前講習費1.5万円/人+監理費5,000円/人・月
- 面接・現地視察・候補者紹介:無料(現地視察のご案内)
- 本人負担はサービス料と立替実費のみ。立替実費 Rp 9,460,000 は内訳を公開しています
日本語の総学習時間は800時間(6か月・全対面・全寮制)、到達目標はA2標準、N4は必須です。設立は2024年4月で現在3年目、累計送出者数は約300名、うち特定技能「介護」は2024年度に18名。失踪は0件です。
どこに相談するときも、許可の番号・費用の内訳・日本語教育の時間数の3つを同じように聞いてください。
よくある質問
インドネシア人の人材紹介はどこに頼めばいいですか。
有料で職業紹介を行えるのは、職業安定法第30条第1項により厚生労働大臣の許可を受けた事業者です。国外の候補者なら、相手先国にインドネシアを届け出ているかも確認してください。登録支援機関の登録や監理団体の許可だけではできません。
登録支援機関に人材紹介を頼めますか。
登録だけではできません。厚生労働省「適正な職業紹介事業の許可の取得について」は、登録支援機関の認定を受けていても、職業紹介を行う場合には別途職業紹介事業の許可などを取得する必要があるとしています。許可番号で確認してください。
紹介料を本人に負担させてもよいのですか。
職業安定法第32条の3第2項により、有料職業紹介事業者は原則として求職者から手数料を徴収できません。例外は芸能家・モデルと、年収700万円を超える経営管理者・科学技術者・熟練技能者に限られます。
インドネシアの送り出し機関(P3MI)と直接契約できますか。
インドネシア側ではSIP3MIが必要です(KP2MI大臣規程2025年第1号 第1条第8号)。日本側の職業紹介は、許可を受けた事業者が行うか、その取次機関としてP3MIが関わる形になります。
出典
- 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第4条第1項・第30条第1項・第32条の3——e-Gov法令検索
- 厚生労働省・都道府県労働局「特定技能外国人材の受入れに関する留意点」(うち「適正な職業紹介事業の許可の取得について」)——PDF
- 厚生労働省・都道府県労働局「職業紹介事業パンフレット-許可・更新等手続マニュアル-(令和7年4月)」——PDF
- 厚生労働省「職業紹介事業制度の概要」——ページ
- 長崎労働局職業安定部需給調整事業室「職業紹介事業の実務(令和7年4月)」(手数料の額・対象職業)——PDF
- 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成三十一年法務省令第五号)第2条——日本法令外国語訳DBシステム
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」——ページ
- Peraturan Menteri Pelindungan Pekerja Migran Indonesia/Badan Pelindungan Pekerja Migran Indonesia Republik Indonesia Nomor 1 Tahun 2025 tentang Tata Cara Pemberian Izin Perusahaan Penempatan Pekerja Migran Indonesia(2025年1月9日)第1条第8号・第11条第1項・第17条——PDF
- 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧」——ページ
※本記事は2026年11月3日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。
HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。
育成就労では、A1相当の試験に合格し入国前講習を受けて送り出すため、貴団体の入国後講習は最短110時間です(不合格・入国前講習なしの320時間と比べ、1人あたり約29万円の差)。当校の入国前講習は800時間です。










