送り出し機関の視察で見るべきこと|インドネシア現地視察のチェックリストと質問例

送り出し機関の視察 現地で見ること・聞くこと

公開 2026.10.21 ・ 読了目安 約10分 ・ 執筆 PT. LPK HINATA Indonesia(外国政府認定送出機関 OTIT No. IDN000507)

送り出し機関の視察は、書類では分からないことを見る日です。授業・寮・在校生の話・講習の記録の4つに時間を使います。

インドネシアの送り出し機関の許可やリストへの掲載は、渡航前にオンラインで確認できます。現地でしか分からないのは、授業の実際、学生の暮らし、費用について本人が何と言うか、講習の記録が本当にあるか、です。視察で見るべき場所と聞くべき質問を、1日の回り方とあわせて整理します。

送り出し機関の視察で、立場ごとに最優先で見ること

立場現地で最優先に見ること該当章
監理団体
(提携先の点検)
在校生が費用について何と答えるか。公表資料と一致するか4章
乗り換え先を
探す組合
入国前講習の時間割と出席記録。授業が日本語で回っているか2章・5章
登録支援機関面接で会う候補者が在籎・通学しているか3章
受入企業
(組合に同行)
寮と食事の実物。学生の様子3章

許可、外国人技能実習機構のリストへの掲載、行政処分の有無など、書類とオンラインで分かる項目は送り出し機関の選び方|7つのチェックポイントにまとめています。視察の前に済ませておくと、当日の時間を現地でしか分からないことに使えます。リストの照合は送り出し機関一覧、許可の状態はP3MI一覧で確認できます。

1章 視察の前に送り出し機関へ伝えておく3つのこと

(1)授業の時間割をもらい、授業のある時間に入る。日程を相手に任せると、授業のない日や短縮日に当たることがあります。平日の通常の授業時間に合わせて行程を組みます。

(2)当日見せてほしい書類を、先に一覧で送る。許可の原本、費用の算出基準を公表している資料、本人に費用を説明したときの資料と本人の署名、入国前講習の時間割と出席記録、本人と結ぶ契約書。当日になって「事務所に置いていない」とならないよう、事前に伝えます。

(3)在校生と話す時間を取ってもらう。機関の職員が同席しない時間を、5〜10分でよいので確保してもらいます。この時間が取れるかどうか自体が、一つの判断材料になります。

2章 授業を見るときのチェックポイント

教室の後ろに座って、少なくとも1コマは最後まで見ます。見るのは次の点です。

  • 教師が日本語だけで授業を進めているか。インドネシア語での説明がどの程度入るか
  • 学生が当てられて答えているか。答えられる学生が一部に偏っていないか
  • 1クラスの人数と、教室の数。同じ時間に何クラスが動いているか
  • 教師の日本語力と経歴。日本での就労経験がある教師がいるか

3章 寮・食堂・在籍者数で見ること

寮は、案内されていない部屋も見る。見学用の部屋だけでなく、実際に使っている部屋、水回り、洗濯場所を見ます。全寮制か、1部屋の人数も確かめます。

食事は、時間を合わせて同じものを食べる。量と内容、食費が費用の内訳に入っているかを確かめます。

在籍者数と収容人数を突き合わせる。「月に何人でも出せます」という説明は、教室と寮の数と合わないことがあります。収容可能人数、いまの在籍者数、1期の定員を数字で聞き、建物の規模と照らします。

面接で会う候補者が、いま通学しているか。直前に集められた人か在校生かは、出席記録と教室で分かります。入学時期と学習時間を名簿で確認してください。

4章 在校生に直接聞く質問例(費用・借金)

技能実習法施行規則第25条第3号は、送出機関に、徴収する手数料その他の費用の算出基準を明確に定めて公表するとともに、その費用を本人に明示し、十分に理解させることを求めています。本人が「十分に理解」しているかは、書類だけでは分かりません。本人に聞くのが確実です。職員が同席しない時間に、次のように聞きます。

  • 入学してから、全部でいくら払いましたか。何の費用でしたか
  • そのお金はどうやって用意しましたか。誰かから借りましたか
  • これから払う予定のお金はありますか。出国前・出国後に払うものはありますか
  • 途中でやめたら、払ったお金はどうなると聞いていますか
  • パスポートや通帳は、いま誰が持っていますか

答えが公表資料の金額と合わない、借入先に機関の関係者が出てくる、返金されないと聞いている、書類を機関が預かっている。どれか一つでもあれば、その場で理由を聞いてください。保証金や違約金の契約がなぜ問題になるかは7つのチェックポイントの⑥で条文とあわせて説明しています。

当校の視察は無料です。在校生と話す時間もお取りします

授業のある平日に合わせて、教室・寮・食堂・書類を一通りご案内します。確認したい項目を事前にお送りいただければ、該当する書類を当日までに用意します。

現地視察について見る

5章 入国前講習の記録は、日本側の負担に直結する

視察で必ず数字で押さえたいのが、入国前講習の時間数と記録です。技能実習では、同規則第10条第2項第7号ハが、第一号技能実習に係る入国後講習の総時間数(1日8時間を超える日は8時間として計算)を、本邦での第一号技能実習の予定時間全体の6分の1以上と定めています。ただし技能実習開始日(入国後講習を含む)から過去6か月以内に本邦外で入国前講習を受けた場合は、12分の1以上で足りるとされています。

対象になる入国前講習は、1か月以上の期間かつ160時間以上の課程を有し、座学で実施されるものです。科目は日本語、本邦での生活一般に関する知識、册滑な技能等の修得等に資する知識に限られ、法的保護に必要な情報の科目は含まれません。実施主体としては、申請者または監理団体が自ら行うか適切な者に委託する場合のほか、外国の公的機関や教育機関などが想定されています。

育成就労では、入国後講習は割合ではなく実時間で定められています。出入国在留管理庁の資料では、A1相当の試験に合格していない場合は320時間以上(過去6か月以内に160時間以上の課程の入国前講習を受けた場合は160時間以上)、合格している場合は220時間以上(同じく110時間以上の課程を受けた場合は110時間以上)とされています。詳しくは入国後講習の記事にあります。

視察では口頭の「やっています」ではなく、時間割・出席記録・講師の一覧を見て、期間・総時間数・科目・座学であることを確かめてください。記録が残っていなければ、日本側で短縮の根拠を示せません。

6章 1日の回り方の例と、帰ってから契約書に入れること

1機関を1日で見る例です。午前に授業を1〜2コマ見学し、昼は食堂で学生と同じ食事をとります。午後は寮を見て、在校生と職員抜きで話し、最後に書類の原本を確認します。書類を最後にすると、気になったことをその場で突き合わせられます。

確認したことは、協定書や契約書の文言にしておかないと残りません。視察の報告から契約に落とす項目です。

  • 本人から徴収する費用の項目と上限額、時期、領収書の発行。ここにないものは徴収しないこと
  • 保証金・違約金・返金不可条項を設けないこと。パスポートや通帳を預からないこと
  • 往路の航空券の手配と負担。帰国旅費・一時帰国旅費の負担者(技能実習では、実習終了後の帰国旅費と第3号技能実習前後の一時帰国旅費は監理団体の負担=同規則第52条第9号。育成就労では、一時帰国旅費は監理支援機関(単独型は育成就労実施者)の負担=出入国在留管理庁資料)
  • 入国前講習の期間・総時間数・科目・座学であること、記録の提出
  • 許可の更新・行政処分・リストからの削除があった場合の通知

7章 HINATAの場合

当校は西ジャワ州ブカシ県チカランにあり、収容可能人数は90名(本校45名+隣接校舎45名)、全寮制・全対面です。許可は2社に分かれ、教育・送出のPT. LPK HINATA Indonesiaが外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507、2024年9月3日認定)、職業紹介のPT. HINATA HUMAN LINKがP3MI(SIP3MI No. 11072400463380004、2024年11月14日発行)です。視察では両方の原本をご覧いただけます。

日本語の学習時間は800時間(6か月)、到達目標はA2標準、JLPT N4は必須です。累計の送出者数は約300名(1年目102名、2年目108名、3年目は2026年1〜8月で約90名)、特定技能「介護」は2024年度で18名です。日本入国後の退職・転職は0名、途中帰国・失踪は0件です。育成就労では、A1相当の試験に合格し、過去6か月以内に110時間以上の課程の入国前講習を受けてから送り出すため、入国後講習は110時間以上で足ります(不合格で入国前講習なしの場合の320時間以上と比べ、1人あたり約29万円の差)。

費用は1円単位で公開しています。本人負担はサービス料と立替実費のみで、立替実費の小計はRp 9,460,000(約84,508円。2026年8月11日のレート0.0089332で換算)、それ以外は名目を問わず徴収しません。日本側は、特定技能が紹介フィーのみで建設・介護・ドライバー15万円/人、その他10万円/人、内定時のみ・月額の管理費なし。育成就労・技能実習は事前講習費1.5万円/人と監理費5,000円/人・月です。面接・現地視察・書類発行・候補者紹介は無料です(費用/現地視察/選ばれる理由/お問い合わせ)。

よくある質問

Q. 送り出し機関の視察は何日あればできますか。

1機関であれば、授業・寮・食堂・書類の確認を1日で回れます。ただし授業は時間割の決まった時間にしか見られないため、平日の授業がある日に合わせてください。複数の機関を回る場合は、移動に時間がかかることがあるため、1日1〜2機関で組むのが現実的です。

Q. 視察の前に送り出し機関に伝えておくことは何ですか。

授業の時間割、当日見せてほしい書類(許可の原本、費用の算出基準の公表資料、本人への説明資料と署名、入国前講習の時間割と出席記録、本人と結ぶ契約書)、在校生と話す時間を取ってほしいことの3点です。事前に伝えておけば、当日に書類がそろわず確認できないという事態を避けられます。

Q. 視察に行かなくても確認できることはありますか。

外国人技能実習機構の送出機関リストへの掲載、インドネシア政府のシステムSISKOP2MIでの許可の状態、費用の算出基準を公表しているかどうかは、渡航前に確認できます。視察の時間は、授業・寮・在校生の話など、現地でしか分からないことに使うのが効率的です(7つのチェックポイント)。

出典

  • 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則(平成28年11月28日法務省・厚生労働省令第3号)第25条(外国の送出機関)第3号、第10条第2項第7号、第52条(監理団体の業務の実施に関する基準)第9号 — 厚生労働省 法令等データベース
  • 出入国在留管理庁「育成就労制度の関係省令等について」(PDF) — moj.go.jp/isa/content/001451331.pdf
  • 外国人技能実習機構 参考様式第1-29号「入国前講習実施(予定)表に関する申請者等の誓約書」(記載要領、PDF) — otit.go.jp/upload/docs/Ki0417-1-29.pdf

※本記事は2026年10月13日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。

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HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。

育成就労では、A1相当の試験に合格し入国前講習を受けて送り出すため、貴団体の入国後講習は最短110時間です(不合格・入国前講習なしの320時間と比べ、1人あたり約29万円の差)。当校の入国前講習は800時間です。

この記事で参照した公式情報

機関資料・ページ
出入国在留管理庁・法務省moj.go.jp/isa/content/001451331.pdf
厚生労働省厚生労働省 法令等データベース
外国人技能実習機構(OTIT)otit.go.jp/upload/docs/Ki0417-1-29.pdf

リンク先は公開時点のものです。制度は改正されるため、最新の内容は各機関の公式ページでご確認ください。誤りに気づかれた場合は 編集方針 の窓口へお知らせください。

この記事を書いた人

PT. LPK HINATA Indonesia 編集部(インドネシア・チカラン)。外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)、P3MI(SIP3MI No. 11072400463380004)として、日本語800時間・全寮制の教育と、技能実習・育成就労・特定技能での送り出しを行っています。記事は法令と公的資料を一次資料で確認して書き、制度の変更があれば更新します。

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