育成就労制度は2027年4月1日に始まります。ただし、インドネシアからの受入れの前提になる二国間取決め(MOC)は、2026年10月7日時点で作成されていません。外国人技能実習機構の一覧で、インドネシアは「暫定」です。MOCの作成に関する発表は、当校が確認した機構と入管庁のページにはありません。
育成就労でインドネシアから受け入れられる時期は、制度の施行日だけでは決まりません。国ごとの二国間取決め(MOC)が前提になるからです。この記事では、日本政府と外国人技能実習機構(以下「機構」)が公表している資料を2026年10月7日に確認し(送出機関リストは10月15日に再確認)、日付つきで整理します。見通しや予測は書きません。暫定リストの中身はインドネシアの送り出し機関一覧、申請の全体像は監理支援機関の許可申請をご覧ください。
育成就労でインドネシアから受け入れられるのはいつからか?二国間取決め(MOC)が前提
制度の施行日は2027年4月1日です。2024年6月21日に公布された改正法(令和6年法律第60号)の施行日で、出入国在留管理庁(入管庁)のページとQ&A(Q3)が示しています。
そのうえで、受入れには国ごとの条件があります。2025年3月11日に閣議決定された基本方針(第五の4)は、次のように定めています。
そのため、育成就労制度では、原則として、二国間取決めを作成した国から育成就労外国人を受け入れることとし、二国間取決めを通じて、送出国政府と協力し、不適正な送出機関の排除や外国人が送出機関に支払う費用の基準の遵守を徹底するほか、送出しに係る費用を含めた送出機関に係る情報の透明性の向上を図る。
入管庁のQ&A(Q70)と機構のページも同じ趣旨です。機構の「よくあるご質問」(13-3)は、MOCを作成していない国の送出機関からは受け入れられないとしています。
育成就労法と同法施行規則の本則には、「二国間取決め」という語は出てきません(2027年4月1日施行時点の条文を当校で検索)。施行規則第20条は外国の送出機関の要件を定め、第1号で所在国の公的機関の推薦を求めています。運用要領(第4章第2節「第13 外国の送出機関に関するもの」)は、MOCを作成した国では送出国政府が第20条の要件を確認し、認定した機関がリストに載ると説明しています。同じ箇所は、送出機関を介さない単独型育成就労などについて、MOCを作成した国以外からの受入れも許容されるとしています。
インドネシアのMOCと暫定リストは、いまどうなっているのか?
機構の「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」(2026年10月15日確認)で、インドネシアの行は、送出機関リストの種別が「暫定」、掲載・更新日が2026年10月9日、二国間取決め作成日が「-」です。機構は、MOCの作成後に正式な認定送出機関リストが提出された場合に「認定」、それ以前を「暫定」と表記するとしています。
| 種別 | 国(五十音順。かっこ内は二国間取決め作成日) |
|---|---|
| 認定(4か国) | ウズベキスタン(2026年6月29日)、スリランカ(2026年7月23日)、タイ(2026年6月2日)、ラオス(2026年8月31日) |
| 暫定(12か国) | インドネシア、カンボジア、キルギス、タジキスタン、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、ブータン、フィリピン、ベトナム、ミャンマー |
機構と入管庁の協力覚書のページに載っているのも、認定の4か国との覚書だけです。インドネシアの暫定送出機関リストに載っているのは555機関です。
入管庁のQ&A(Q72)は、協議を行っている具体的な国名を「政府間の協議であることから」差し控えるとしています。機構の育成就労計画の申請ページは、MOCについて協議中の国のうち、対象者ごとの推薦状を発行することとしている国の一つとして、インドネシアを挙げています。
暫定リストの送り出し機関で、いま何ができるのか?
施行日前申請ができます。監理支援機関の許可の施行日前申請(2026年4月15日開始)では、申請書の送出機関欄に暫定リストの機関を記載します。育成就労計画の認定の施行日前申請(同年9月1日開始)でも、暫定リストの機関を取次送出機関として申請できます。
ただし、許可は別です。機構は一覧のページにこう書いています。
なお、監理支援機関の許可は、二国間取決めを作成した国から正式に認定送出機関リストが提出された後になされることとなります。暫定送出機関リストが提出された国であっても、暫定送出機関リストに登載されていたものの認定送出機関リストには登載されなかった送出機関との受入れ契約をしている場合や、当該送出国との間で二国間取決めが作成に至らなかった場合には、当該送出機関が申請書に記載されたままの状態では監理支援機関の許可ができませんので、ご留意ください。
育成就労計画も同じです。機構のリーフレットは、認定には取次送出機関が認定送出機関リストに載っている必要があり、載らない場合は送出機関の変更が必要になることがあるとしています。
申請後に送出機関を追加・変更するときは、速やかに変更申出書を機構に提出します。2026年12月28日(月)(機構必着)までに提出がない場合は、変更前の申請内容で審査されます。その場合は、施行日以降かつ許可後に変更届出を行います。機構の「よくあるご質問」(14-5)は、送出機関の追加の手続が終わるまで育成就労計画を認定できないとしています。
公表されている日付はどれか?
| 日付 | できごと | 公表元 |
|---|---|---|
| 2024年6月21日 | 育成就労制度を創設する改正法(令和6年法律第60号)の公布 | 入管庁 |
| 2025年3月11日 | 基本方針の閣議決定 | 入管庁 |
| 2025年9月30日 | 育成就労法施行規則の公布 | e-Gov |
| 2026年4月15日 | 監理支援機関の許可の施行日前申請の受付開始 | 機構 |
| 2026年6月2日 | タイとの協力覚書の作成(育成就労で最初のMOC) | 入管庁 |
| 2026年9月1日 | 育成就労計画の認定の施行日前申請の受付開始 | 入管庁・機構 |
| 2026年10月9日 | インドネシアの暫定送出機関リストの掲載・更新日(2026年10月15日に確認した版・555機関) | 機構 |
| 2026年12月28日 | 監理支援機関の許可の施行日前申請で、変更申出書を出す期限(機構必着) | 機構 |
| 2027年3月31日 | 監理支援機関の許可の施行日前申請の受付期間の末日。経過措置の対象になる技能実習計画の認定申請の期限 | 機構・入管庁 |
| 2027年4月1日 | 育成就労制度の施行 | 入管庁 |
| 2027年6月30日 | 2027年3月31日までに認定申請をした計画で、技能実習を開始する期限(経過措置。原則) | 入管庁・機構 |
技能実習・特定技能のMOCとは別なのか?技能実習はいつまで使えるのか?
別の取決めです。インドネシアとは、2019年6月25日に技能実習の協力覚書と特定技能の協力覚書が署名されています。技能実習の覚書は、継続期間が2024年6月25日から3年間更新されました(厚生労働省)。
育成就労の覚書は、技能実習・特定技能の覚書とは別の文書です。入管庁は2026年6月4日の発表で、技能実習の覚書が既にあるタイとの間で、育成就労制度の運用開始に伴って覚書を作成したと説明しています。送出機関の一覧も契約も別です。機構の「よくあるご質問」は、育成就労の一覧が技能実習の一覧とは異なること(13-2)、技能実習の取次ぎ契約がある送出機関とも育成就労の契約を改めて結ぶ必要があること(15-5)を示しています。
技能実習は経過措置で残ります。入管庁のQ&A(Q47)によれば、2027年3月31日までに技能実習計画の認定を申請し、2027年6月30日までに技能実習を開始する技能実習生は、原則として認定計画に基づいて技能実習を行えます。機構は、1号技能実習計画の認定申請を2027年2月までに行うよう求めています。
監理支援機関は、いま何を確認しておくか?
ここからは、上の公表資料を踏まえた当校の見方です。
- 契約先が暫定リストにあるか— 機構の最新版で、送出機関番号を照合する。当サイトのインドネシアの送り出し機関一覧(2026年10月9日版・555機関)でも確認できます。同版では、備考欄に「Temporarily suspended」とある機関が57あります(理由の説明はありません)。
- 技能実習の一覧にしかない機関ではないか— 機構の技能実習の認定送出機関一覧(2026年10月8日版・568機関)のうち、13機関は暫定リストに載っていません(当校の突き合わせ。暫定リスト未掲載の場合)。
- 育成就労の契約を別に結んでいるか— 技能実習の契約とは別に、改めて結ぶ必要があります(機構のよくあるご質問15-5)。
- 本人が支払う費用を確認できるか— 費用の算出基準と、育成就労の本人負担の上限に収まるかを書面で確かめる。
- 機構の一覧を定期的に見る— インドネシアの種別の表記と、契約先がリストに載っているかを確かめる。契約先を見直す場合は、12月28日の期限から逆算します(送り出し機関の変更)。
HINATAの場合
PT. LPK HINATA Indonesia(送出機関番号 IDN000507)は、機構の技能実習の認定送出機関一覧(2026年10月8日版)と、育成就労の暫定送出機関リスト(2026年10月9日版)の両方に掲載されています。インドネシアが「暫定」である以上、上の留意点は当校との契約にもそのまま当てはまります。
育成就労・技能実習の費用は、事前講習費1.5万円/人と、監理費(送出管理費)5,000円/人・月です。面接・現地視察・書類発行・候補者紹介は無料です。ご相談は、Japan Desk(日本語対応、平日9:30〜18:30・日本時間)がお問い合わせで受け付けます。
出典
- 外国人技能実習機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」(2026年10月7日閲覧、10月15日に再確認) ― ページ/インドネシアの暫定送出機関リスト(掲載・更新日 2026年10月9日) ― PDF/技能実習の認定送出機関リスト(インドネシア、2026年10月8日版) ― PDF
- 外国人技能実習機構「監理支援機関許可施行日前申請」(施行日前申請のご案内、申請書記載事項等の変更【施行日前申請】の各リーフレットを掲載) ― ページ
- 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」(育成就労計画認定の施行日前申請のご案内、技能実習計画についてのご案内の各リーフレットを掲載) ― ページ
- 外国人技能実習機構「よくあるご質問(監理支援機関の許可申請関係)」(2026年7月10日更新版)13-2・13-3・14-1・14-5・15-5 ― ページ
- 外国人技能実習機構「育成就労制度について」(お知らせ、技能実習計画についてのご案内) ― ページ
- 育成就労制度運用要領 第4章第2節「第13 外国の送出機関に関するもの」(2026年8月改正版) ― 外国人技能実習機構 関係法令・育成就労制度運用要領等
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q3・Q47・Q70・Q72・Q73 ― ページ
- 「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針及び育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針について」(2025年3月11日閣議決定)第五の4 ― 出入国在留管理庁(PDF)
- 出入国在留管理庁「令和6年入管法等改正について」(令和6年法律第60号の公布日・施行日) ― ページ
- 外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(平成28年法律第89号。令和6年法律第60号による改正後)第9条第1項第11号 ― e-Gov法令検索/同法施行規則(令和7年法務省・厚生労働省令第4号。2025年9月30日公布)第20条 ― e-Gov法令検索(いずれも2027年4月1日施行時点の条文で確認)
- 外国人技能実習機構「育成就労に関する二国間取決め(協力覚書)」 ― ページ/出入国在留管理庁「育成就労に関する二国間の協力覚書」 ― ページ/同「タイ王国との育成就労制度に関する協力覚書について」(2026年6月4日) ― 報道発表資料
- 厚生労働省「インドネシアとの協力覚書」(技能実習。2019年6月25日署名、2024年6月25日から3年間更新) ― ページ
- 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」 ― ページ/インドネシアとの特定技能に関する協力覚書(2019年6月25日署名) ― 和文(PDF)
※本記事は2026年10月7日時点(送出機関リストは2026年10月15日時点)で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。
HINATA Indonesia は外国政府認定送出機関(OTIT No. IDN000507)です。創業2年半で約300名を送り出し、失踪は0件。日本語は法令要件のA1ではなくA2を標準にしています。費用は費目をすべて公開し、ブローカーは使いません。
育成就労では、A1相当の試験に合格し入国前講習を受けて送り出すため、貴団体の入国後講習は最短110時間です(不合格・入国前講習なしの320時間と比べ、1人あたり約29万円の差)。当校の入国前講習は800時間です。










