2026年1月23日の閣議決定で、物流倉庫・リネンサプライ・資源循環の3分野が特定技能と育成就労の両方に加わり、特定技能は19分野、育成就労は17分野になりました。2026年10月9日時点で、特定技能1号の申請開始が案内されているのはリネンサプライだけです。物流倉庫と資源循環は、試験と協議会の準備が続いています。育成就労は、制度が始まる2027年4月1日から3分野とも対象になりますが、分野ごとの実際の受入れは協議会などの準備しだいです。
この記事では、入管庁の分野別運用方針と各所管省庁のページを2026年10月9日に確認し、3分野を同じ項目で比べます。インドネシアからの受入れの全体像は受入れの流れをご覧ください。
特定技能・育成就労の新分野は?追加された3分野を同じ項目で比較
| 項目 | 物流倉庫 | リネンサプライ | 資源循環 |
|---|---|---|---|
| 所管省庁 | 国土交通省 | 厚生労働省 | 環境省 |
| 業務区分 | 物流倉庫 | リネンサプライ | 廃棄物処分業(中間処理) |
| 主な業務 | 倉庫内での貨物の入出庫・保管などの作業(ピッキング、流通加工など) | ホテルや病院などで使われたリネン類の入荷から仕分け、洗濯、仕上げ、出荷まで | 家庭や事業活動から出る廃棄物の中間処理(減量化・減容化・安定化・安全化) |
| 受入れ見込数(特定技能1号) | 11,400人 | 4,300人 | 900人 |
| 受入れ見込数(育成就労) | 6,900人 | 3,400人 | 3,600人 |
| 技能試験 | 物流倉庫分野特定技能1号評価試験 | リネンサプライ分野特定技能1号評価試験 | 資源循環分野特定技能1号評価試験 |
| 日本語 | 特定技能1号:A2.2相当以上/育成就労の開始時:A1相当以上(講習の受講も可) | 同左 | 同左 |
| 転籍制限期間 | 1年 | 1年 | 2年 |
| 協議会 | 特定技能・育成就労とも設置に向けて調整中 | 特定技能・育成就労とも加入申請を受付中(育成就労は2026年7月31日から) | 第1回を開催(2026年8月27日)。入会受付は準備中 |
| 特定技能1号の状況 | 試験の開始時期は未定 | 2026年6月1日から申請可能 | 試験・運用要領別冊は未公表 |
| 育成就労の開始 | 制度の開始は2027年4月1日(告示第788号も同日から適用) | 制度の開始は2027年4月1日(告示第181号も同日から適用) | 制度の開始は2027年4月。環境省は令和9年4月頃の受入れ開始を予定 |
| 技能実習2号からの試験免除 | 技能・日本語とも免除となる職種はなし(別表で「ー」)。日本語は職種を問わず2号良好修了で当面の間免除 | クリーニング職種・リネンサプライ仕上げ作業は技能・日本語とも当面の間免除。他の職種は日本語のみ免除 | 扱いは未公表(分野の運用要領別冊が未公表) |
見込数は、特定技能1号が令和8年度から3年間、育成就労が令和9年度から2年間の数で、どちらも令和10年度末までの受入れの上限として運用されます。なお、OTITの技能実習の移行対象職種・作業一覧(令和8年7月29日時点、96職種174作業)に、「倉庫」「廃棄物」「中間処理」を名前に含む職種・作業はありません。
なぜ3分野が加わったのか?閣議決定の日付と分野数の変化
2026年1月23日、「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」と閣議で、特定技能と育成就労の分野別運用方針が決まりました。2つの制度の方針を分野ごとに一体で作り、特定技能の旧方針(平成30年12月25日閣議決定)は廃止されています。
同方針の「主要な記載事項」は、分野を既存分野、既存分野のうち新たな業務等を追加する分野、新たに追加する分野(資源循環・物流倉庫・リネンサプライ)に分け、特定産業分野(特定技能)は19分野、育成就労産業分野は17分野としています。自動車運送業と航空は特定技能だけの分野です。特定技能の分野を定める法務省令は、それまでの16分野から19分野に改正され、2026年4月1日に施行されました(令和8年法務省令第22号)。
理由は人手不足です。各分野の運用方針は、令和10年度に物流倉庫で5万5,100人程度、リネンサプライで2万100人程度、資源循環で1万7,000人程度の不足を見込みます。生産性の向上と国内人材の確保を進めてもなお足りない分(物流倉庫1万8,300人、リネンサプライ7,700人、資源循環4,500人)が、特定技能1号と育成就労を合わせた見込数です。
いつから受け入れられるのか?2026年10月9日時点の状況
物流倉庫:基準は公表済み、試験と協議会は準備中
上乗せ基準の告示(令和8年国土交通省告示第787号・第788号)が2026年6月26日に公布され、運用要領別冊も公表されました。一方、国土交通省のページ(2026年9月時点)では、特定技能1号評価試験の開始時期は「未定」、協議会は「設置に向けて調整中」です。詳しくは物流倉庫分野の解説をご覧ください。
リネンサプライ:特定技能1号は申請可能
厚生労働省は、2026年6月1日から特定技能1号の在留資格の申請ができると案内しています。協議会は、特定技能・育成就労とも加入申請を受け付けています(育成就労は7月31日から)。技能試験の日程と実施国は、厚生労働省と入管庁のページでは確認できませんでした。詳しくはリネンサプライ分野の解説をご覧ください。
資源循環:告示は公布、詳細はこれから
告示(環境省告示第36号・第37号)が2026年7月30日に公布されました。環境省のページでは、運用要領別冊、試験、協議会の入会方法がいずれも「詳細決まり次第お知らせします」です。同省が案内する支援サイトによると、協議会は8月27日に第1回を開き、入会受付は準備中です。詳しくは資源循環分野の解説をご覧ください。
育成就労は、制度が2027年4月1日に始まります。資源循環は、環境省の概要資料が受入れ開始を令和9年4月頃(予定)としています。外国人技能実習機構(OTIT)は、施行日前の育成就労計画の認定申請を2026年9月1日から受け付けていますが、申請には分野別協議会への加入を証明する書類が必要です。物流倉庫と資源循環は、協議会の受付が始まるのを待つことになります(当社の整理です)。
受入れを考える組合・企業が今できる準備は?
- 受け入れられる事業者に当たるか— 物流倉庫は倉庫業の登録を受けた倉庫業者、その委託で営業倉庫の作業を行う者、一般・特定貨物自動車運送事業の許可を受けて倉庫作業を行う者のいずれか。リネンサプライは「衛生基準」の認定を受けた施設(施設単位)。資源循環は廃棄物処理法などの許可・認定を受けた者です。
- 直接雇用で、派遣は不可— 3分野とも特定技能の告示が、労働者派遣の対象とする雇用契約を認めていません。
- 協議会の受付を追う— リネンサプライは受付中で、特定技能協議会の入会手続を登録支援機関が代行することは、厚生労働省が認めていません。資源循環は、協議会による書面と実地の確認(優良機関認証)があると環境省が案内しています。
- 物流倉庫は倉庫管理システム— 入庫・在庫・出庫管理の機能を持つ情報システムを利活用し、これと連携する機器・システムの利活用状況を、協議会に加入した日から1年以内に報告することが告示の要件です。
- 監理支援機関・登録支援機関の条件— 物流倉庫では、監理支援機関は育成就労の協議会への加入、支援を全部委託される登録支援機関は特定技能の協議会の構成員であることが求められます。OTITは、物流倉庫を取り扱う監理支援機関に、告示と分野別の運用要領を確認してから許可申請するよう案内しています。
新しい3分野でインドネシアからの受入れをお考えなら、日本語教育と送り出しの段取りからご相談いただけます。
インドネシアから受け入れる場合は何を確認するか?
特定技能では、3分野の技能試験をインドネシアで受けられるかは、2026年10月9日時点で公表されていません。インドネシア側の手続は求人票の大使館検証とP3MIとは?で解説しています。
育成就労は、原則として二国間取決めを作成した国からの受入れです。インドネシアは暫定送出機関リスト(2026年10月9日版、555機関)の段階で、二国間取決めはまだ作成されていません。OTITは、暫定リストの国の送出機関が関わる監理支援機関の許可は、正式な認定送出機関リストの提出後になるとしています。育成就労外国人の推薦状は、二国間取決めを作成した国のうち発行することとされている国について、育成就労計画の認定申請(施行日前申請を含む)の際に対象者ごとに必要です。OTITは、協議中の国のうちこれを発行することとしている国にインドネシアを挙げています(2026年10月9日時点)。暫定リストはインドネシアの送り出し機関一覧にまとめています。
HINATAの場合
教育と送出はPT. LPK HINATA Indonesia(送出機関番号 IDN000507。育成就労の暫定送出機関リスト〈2026年10月9日版〉に掲載)が担います。特定技能の職業紹介は、別会社のPT. HINATA HUMAN LINK(P3MI)が行います。日本語は全対面・全寮制で800時間(6か月)、到達目標はA2標準で、JLPT N4は必須です。3分野の試験の内容や実施場所が公表され次第、候補者の準備に反映します。
特定技能の費用は紹介フィーのみ(建設・介護・ドライバー15万円/人、その他10万円/人。内定時のみで、月額の管理費はありません)。育成就労は事前講習費1.5万円/人と監理費5,000円/人・月です。本人負担の内訳と実費の金額は費用ページに公開しています。現地視察・面接・候補者紹介は無料です。
出典
- 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る制度の運用に関する基本方針・分野別運用方針」 ― ページ/同「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針及び特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針について(令和8年1月23日閣議決定)」 ― ページ
- 分野別運用方針の主要な記載事項 ― PDF/別紙3 リネンサプライ ― PDF/別紙12 物流倉庫 ― PDF/別紙19 資源循環 ― PDF
- 「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針及び育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針」(令和7年3月11日閣議決定) ― PDF
- 出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(令和8年法務省令第22号による改正後) ― e-Gov法令検索/出入国在留管理庁「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加の概要」(令和6年3月29日閣議決定。改正前の16分野) ― PDF
- 出入国在留管理庁「リネンサプライ分野」 ― ページ/同「試験関係」 ― ページ
- 法務省・厚生労働省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-リネンサプライ分野の基準について-」(令和8年6月1日公表) ― PDF
- 厚生労働省「リネンサプライ分野における新たな外国人材の受入れ」 ― ページ/同「リネンサプライ分野特定技能協議会」 ― ページ/令和8年厚生労働省告示第181号(育成就労の上乗せ基準。2027年4月1日から適用) ― PDF
- 国土交通省「物流倉庫分野における特定技能外国人・育成就労外国人の受入れについて」 ― ページ/令和8年国土交通省告示第787号 ― PDF/同第788号 ― PDF/運用要領別冊(物流倉庫分野、令和8年9月18日公表) ― 本文・別表
- 環境省「資源循環分野における特定技能制度及び育成就労制度」 ― ページ/同「(概要)資源循環分野の受入れについて」 ― PDF/環境省告示第36号 ― PDF/同第37号 ― PDF/資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト「資源循環分野特定技能・育成就労協議会」 ― ページ
- 外国人技能実習機構「技能実習制度 移行対象職種・作業一覧」(令和8年7月29日時点) ― PDF
- 外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」 ― ページ/「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」 ― ページ/「監理支援機関の許可基準に関し、育成就労産業分野ごとに定める上乗せ基準がある分野」 ― ページ
※本記事は2026年10月9日時点で公表されている資料に基づいています。制度の詳細は変更される可能性があります。個別の申請にあたっては最新の手引きと専門家にご確認ください。
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